【NSW14日】 NSW州労働組合は、短期滞在の女性労働者たちが、国内の複数産業で広範なセクハラ被害を受けていることが、新たな調査で明らかにされたと発表した。
同組合は、短期滞在している女性3,000人に国内の職場のハラスメントに関する実態調査を行った。調査によると、ある女性は、ワーキングホリデービザで働いていた際に4回もセクハラを受けており、建設現場の清掃員として働いていた時、会社の経営者で直属の上司でもあった男性から、女性の容姿に関する発言や背中を触ったり、キスをされそうになったという。
職種別では、セクハラを経験したと答えた女性は、建設業が82%、ファーム業53%、接客業51%、小売業50%、清掃業41%だった。また、被害に遭った女性の75%が、職を失ったり、雇用者の報復を受けたり、ビザのステータスに悪影響が出ることを恐れて、ハラスメントを報告しなかったと回答しており、ハラスメントの範囲はもっと広がっている可能性がある。
調査結果によると、ハラスメントの内容として最も多かったのは「性的な冗談やからかい」で52%、「プライベートや容姿に関して過度に立ち入る」が42%、「上司から誘いを受ける」が28%、「不適切なボディータッチ、ハグ、キスやパーソナルスペースの侵害」が23%だった。
同労働組合のモーリー事務局長は「この調査結果は非難に値する」とし「外国人労働者たちはチャンスを求めてオーストラリアにやってきているが、その代わりに恐ろしい職場での搾取の被害にあっている」と述べた。同組合は、連邦政府が移民労働者センターを設立し、女性がハラスメントを報告し、法的アドバイスを求める場所を作ることを望んでいる。
一方で同氏は、国内の特定の業種において、他の手段で欠員を埋めるのが困難な労働者確保としてのワーキングホリデー・メーカー制度の重要性を認識していると強調し、「バックパッカーは地域社会にとって重要な労働者。農家が安全で新鮮な食材を手頃な価格で提供する上で重要な役割を果たしており、この労働力がない場合の損失は農業だけでも63億ドルに上り、サプライチェーン全体で12万7,000人の雇用が失われると推定される」としている。
ソース:news.com.au – Unions NSW reports widespread sexual harassment of migrant women