【NSW26日】 オーストラリア最大の総合保険会社IAGは、リチウムイオンバッテリーを扱う際の安全ガイドラインを策定し、電気自動車(EV)や電動スクーター、家庭用機器におけるリチウムイオンバッテリーの使用拡大に適切に対応するため、国内外の専門家とともに研究を進めている。
NSW州では今年3月、リチウムイオンバッテリーが原因で火災が発生し、2人の女性が命を落とした。11月には充電中のリチウムイオンバッテリーが原因で、シドニー市内西部のアパート複合施設が火災に見舞われた。当局は、ごみ収集車や廃棄物処理施設で発生したリチウムイオンバッテリーによる火災は年間当たり1万件以上に上ると発表している。
IAGの研究センターのタイスハースト責任者によると、今年、EVやプラグインハイブリッド車の販売は国内の新車販売の約10%を占め、EVは自動車販売の3分の1を占めた。同責任者は、「研究は、リチウムイオンバッテリーが寿命を迎えた際、それらを安全に保管、取り扱い、廃棄する方法について洞察すれば、命や財産へのリスクを未然に防ぐ一助となる」と述べた。
アデレード大学のリャン博士は、リチウムイオン電池のユーザーが火災を避ける手順として、バッテリーと充電器が認証されたものであることを確認し、充電中は熱源やベッドシーツやソファなど燃えやすいものから遠ざけ、過充電を避けるようアドバイスしている。博士によると、オンラインで簡単に購入できる違法な電子タバコのような小さいデバイスは、バッテリーの品質について保証がないという。
また、エネルギー貯蔵研究グループ(ESRG)のディレクターであるワッツ准教授は、「バッテリーと火災安全分野の専門家と協力し、排出量実質ゼロを目指すなかで、国際的に最善と思われる慣例に基づいた枠組を確立し、オーストラリアのニーズに適した形でバッテリー技術を安全に展開していく」と述べた。
ソース:news.com.au-‘Sitting in your pocket’: Experts warn of lithium ion battery fire risk