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QLD州で類鼻疽感染が拡大 今年26人死亡

【QLD9日】  QLD州保健当局によると、メリオイドーシス(類鼻疽:るいびそ)感染者がここ7日間で新たに10人確認され、このうち1人が死亡したことが分かった。同州のメリオイドーシスへの感染による死者は、今年だけで26人に上っている。感染が確認された地域はタウンズビル、マッケイ、ケアンズなど。

メリオイドーシスは、水や土壌に存在する細菌によって引き起こされる熱帯性の感染病だ。感染は通常、豪雨や洪水が起きた後の降水量の増加によって拡大する。タウンズビルは今年の降水量が2419.8ミリメートル以上と、年内の雨量が今のところ過去最高を記録している。

タウンズビル病院の微生物学者、ロバート・ノートン氏は、今年の降水量が例年を超える異常なものだったとし、「多くの感染と死者が出たことに驚きはない」と述べた。また、タウンズビルでは広範囲にわたる豪雨は収束したが、今後数週間は感染者が出ることが予想されている。

ノートン氏によると、オーストラリアではメリオイドーシスへの感染による致死率は15%で、感染者が増えるほど死者も増加すると指摘している。細菌は皮膚や傷口からの感染のほか、汚染された水を飲んだり、粉塵や水しぶきを吸入することでも感染する。

QLD州保健局によると、糖尿病や癌、肺や腎臓の疾患がある人はメリオイドーシスへの感染によるリスクが高いという。また、治療には強力な抗生物質が必要で、重篤な症状の場合は集中治療室での加療を行う必要がある。予防するためのワクチンはなく、汚染土や泥水への接触を避けることが推奨されている。

 

ソース:abc.net.au-Queensland melioidosis death toll climbs after floods spread soil-borne bacteria

 

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