【ACT12日】 オーストラリア統計局(ABS)によると、2月にオーストラリアへ到着した留学生数は19万7,000人に達し、新型コロナのパンデミック前となる19年に記録した18万7,900人を7.3%上回り、過去最多となったことが分かった。連邦選挙を前に、与野党はともに移民削減を公約に掲げている。
新学期が始まる2月は、例年、留学生数が急増する傾向がある。与野党は、コロナ禍後に急増した移民数を抑制する手段として、移民数の多くを占める留学生の受け入れ数を制限することに焦点を当てている。
野党のダットン党首は先週、年間の外国人留学生受け入れ数を24万人に制限すると提案。この措置が住宅危機の緩和に役立つとし、「住宅問題は私の最優先課題だ」と述べた。同党首は、留学生数が、前回の連邦選挙時の52万人から今年は85万人を超えるまでに急増したと指摘し、「移民が住宅、インフラ、サービスに圧力をかけ続けている」と訴えた。
一方、アルバニージー政権は、英語力の要件強化やビザ申請料を1,600ドルに倍増するなど、ビザ取得条件を厳格化。チャルマーズ財務相は、政府として学生数を「より通常の水準」に抑制してきたとした上で、「今後の予算では移民純増数を減らし、住宅建設を進めていく」との方針を示している。
大学の業界団体、ユニバーシティーズ・オーストラリアのシーヒーCEOは、留学生は国内経済に500億ドル以上の恩恵をもたらし、25万人以上の雇用を支えていると主張。「留学生を数万人単位で削減することは、国の主要な収益源の1つに打撃を与えることになる」と述べ、野党による留学生削減策は大学や経済に悪影響を及ぼすと警告している。
公共公益研究所(IPA)の調べによると、2006年から2024年にかけて留学生人口は191%増加し、24年度末には約61万人が学生ビザを保有していた。IPAのユー博士は、「政治家らは、この受け入れが持続可能であり、限られた公共インフラやサービスに過度な負担をかけないようにする責任がある」と話した。
ソース:news.com.au-Almost 200,000 international students arrived in Australia in February, new data reveals
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