シドニー 18日 - 最新の研究によると、自殺行為に至る大部分の人は、行動を起こすほんの数分前に自傷行為の衝動に駆られている。研究対象になった自殺未遂者の51パーセントが、自殺行為を起こす前10分以内に自殺する決断をしたという。更に16パーセントが自殺行為の前30分以内に自殺を決断した。
西シドニー大学のマリアンヌ・ウェイダー博士によると、多くの場合、実際の自殺行為に至るには自殺を考えだしてから短時間しか掛からないが、自殺をする原因は長期間にわたる問題から起因しているという。多くの衝動的自殺行為には麻薬やアルコールが関連している。自殺を考えてから10分以内に自殺行為を行った人の中の93パーセントがアルコールの影響下にあった。「人はストレスや落ち込みを和らげようとアルコールを飲みますが、この鎮静剤は問題をいっそう悪化させるだけです。」と同博士は述べた。
同博士によると、自殺未遂者は圧力鍋の中に住んでいるようなもので、中の蒸気の一部を出すために、自傷行為に走る。その為、一時的なストレスの緩和効果はみられるが、根本的な問題の解決にはならず、その後再び自殺行為に至る可能性がある。
研究対象になった自殺未遂者の63パーセントが長期間にわたる問題が原因で自殺行為に至り、残りが長期的な問題ではなく失業や失恋などがきっかけとなった。
年間6万人にも上るオーストラリア人が、自殺または自傷行為に至っている。