[キャンベラ-9日]オーストラリアは先進国の中で最も肥満が多い国の一つでありながら、最も長寿な国の一つでもあるようだ。
先進国30ケ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)が実施した新しい調査によると、オーストラリア人の平均寿命は80.3歳。日本人(81.8歳)、アイスランド人(80.5歳)、スペイン人(80.5歳)、スイス人(80.4歳)に次いで5番目に長寿であるとの結果が出た。しかし、オーストラリア人は太っている人が多く、人口の22%が肥満で、加盟国の中ではアメリカ、メキシコ、イギリス、スロバキア、ギリシアに次いで6番目に高い。
肥満の原因の一つは、オーストラリア人が無類の甘党だということ。一人当たりの年間砂糖消費量は48.2kgと加盟国平均より10%高い。一方、フルーツや野菜の消費量は平均218kgを大きく下回り185.6kg。にもかかわらず、オーストラリア人は日本人に次いで2番目に低い死亡率を記録しているのだ。歯の健康状態は加盟国で一番良い。
死亡原因は31%がガンによるものでトップ、循環器系疾患も高いが、呼吸器系疾患による死亡率は低く、落下事故での死亡は世界一少ない。自殺や殺人による死亡率は平均的。現役の医師の数、医師の増加率は共に最下位だが、看護師の数はリスト上位にのぼる。
しかし、薬物の使用は著しく増えており、1997年から2003年までの薬物消費増加率は9.1%と、アイルランド、アメリカに次いで3番目だった。