キャンベラ26日ーオーストラリア・プライバシー基金は、連邦政府のスマートカード導入案に対し、導入によって生じる危険性を主張し、反対の意を表明した。連邦国会は26日、メディケアや政府の福祉サービスへのアクセスのために使用されるスマートカードの導入に関して検討をしている。トニー・アボット厚生相は、スマートカードには個人情報だけでなく、緊急時に医療関係者に役立つような個人の基本的な医療情報が含まれることになると語った。
しかし、オーストラリア・プライベート基金のスポークスマン、デイビット・ベイル氏は、「スマートカードによって、全ての国民の個人ファイルを瞬時に作ることができ、非常に危険である。」と語る。また、「スマートカード導入のリスクについて適切な議論がなされないまま、連邦国会が同カードの導入に急ぐのは驚きである。」と語る。ベイル氏は、1つのカードで個人情報へのアクセスが可能なことから、深刻な詐欺やセキュリティー違反などが発生する可能性があり、個人のプライバシー保護がさらに困難になる、と警鐘を鳴らす。