シドニー13日ー毎年約5000人のオーストラリア人が職場環境が原因でがんを発症しているという。
Queensland Cancer Fund(クイーンズランド州がん基金)とシドニー大学が実施した調査により、職場でガンを発症する原因となる環境にさらされていると今まで以上に感じるとした人は2倍に増加していることが判明。オーストラリアン紙は、この数値は、男性のがんの11%、女性のがんの2%を占めると報じた。
Australian Lawyers Alliance(オーストラリア弁護士連盟)のTom Goudkamp(トム・ゴードカンプ)元会長は、労働者が職場で発ガン物質にさらされているとしても、それに対する補償金を支払う能力がない企業が多いとした。「もし職場で予防可能であったにもかかわらず、それが発生したことが原因で、病気や重度の疾病を患った場合、本人やその家族は補償される資格がある」と同元会長はオーストラリアン紙に語った。
同調査では、職場でのアスベスト、ガス、受動喫煙が原因で、肺がんを発症した人が30%もいることが明らかになっている。また、約300件の膀胱がんの症例が、職場での染料、鉛、溶剤が原因で発症。265件の結腸がんが、職場の金属やアスベストに関連している。