[メルボルン17日]診察室で患者にめった刺しにされ死亡した医師は、愛すべき母親であると同時に、7年もかけてオーストラリア医師免許を取得した大変な努力家であった。
Khulod Maaroof(クルド・マーローフ)医師は16日午後6時15分頃、メルボルン東部のNoble Park(ノーブル・パーク)のthe Hill Medical Centre(ヒル・メディカル・センター)で頸部をめった刺しにされた。救急隊がマーローフ医師の手当にあたったが、致命傷を負っており、死亡した。
Samuel Benjamin(サミュエル・ベンジャミン)26歳は、マーローフ医師を刺した後、すぐに近くの警察に出頭。殺人罪で逮捕された。
医師仲間の一人は、マーローフ医師について、自分の時間のほとんどを難民救済活動に使ってきた類い稀なメンターだと評した。1986年にシリアから移住してきたマーローフ医師は、元眼科のスペシャリスト。2人の娘を育てながら、7年かけてオーストラリアの医師免許を取得。週末にはアラビア語を教えていた。難民だけでなく、医療費の払えない貧しい人々も助けてきた。
Australian Medical Association(AMA)代表のMukesh Haikerwal(ムケッシュ・ハイケーワル)氏は、今回の悲劇的事件により、医療現場でのセキュリティに関する見直しを検討していると述べた。逮捕された男は2005年9月に一度クリニックを訪れていただけだという。