インドネシア領西パプアに食人習慣が残っているという話を、同地域の元政治家達は一笑に付した。
チャンネル・セブンの報道番組「トゥデイ・トゥナイト」のクルーは15日、6歳の少年が食人族の生け贄になるかもしれないという事件の取材を試み、パプア地域に観光ビザで入ろうとしたところを見つかり、国外強制退去に処された。
以前パプア地域で政治活動を行い、現在は隣接するパプア・ニュー・ギニアに住むClemens Runawery(クレメンツ・ルナワリー)氏とWillem Zonggonau(ウィレム・ゾンゴナウ)氏は、同地域に「トゥデイ・トゥナイト」が言うような習慣は残っておらず、かつてオランダの探検隊が食人族と噂される部族を訪れ、写真を撮影した際にも彼らが部族から危害を与えられるようなこともなく、住民達は現代社会の生活習慣に統合されているとコメントした。
豪・緑の党党首のボブ・ブラウン議員は、パプア地域の支援は必要かもしれないが、それはインドネシア国内の問題であり、オーストラリアが口出しするべきではないと同番組の行動を批判した。
一方、16日、メルボルンに到着した「トゥディ・トゥナイト」のキャスター、ナオミ・ロブゾンは、いまだ少年を救いたいという気持ちを捨てておらず、インドネシアに戻りたいという意志を表明した。少年は孤児で、周囲は彼を悪魔だと信じて村八分にし、彼女らクルーは、少年をジャングルから連れ出してほしいという叔父の訴えに心を動かされたという。また、今回の事件は、ライバル番組を持つナイン・ネットワークがインドネシア筋に通報したのと噂もあり、それを巡っての両者に言い争いに発展している。