シドニー3日-C型肝炎を未治療のまま放置していると、今後10年間で重篤な肝臓疾患の発症数が約40%も急上昇することが予想される。
注射針の共有から感染するケースが最も多いとされる、C型肝炎の予防と治療に関する報告書が3日、発表された。NSW大学が実施した研究の結果、年間のC型肝炎の新患者数は2001年の1万4千人から2005年の1万人へと減少しているものの、全体の患者数は4年間で約16万人から20万人と、依然として上昇傾向が見られる。そのうち、治療を受けているのはわずか1%(2000人)。未治療の患者は肝臓疾患を発症する可能性が高く、何十年も感染を維持したまま最終的に肝臓がんに至る危険性もある。
報告書の著者は、今後、肝臓疾患の重症患者数は10年間で約38%上昇すると予測する。つまり、2005年には4万3300人だった重症患者が2015年には6万人に増加する恐れがあるという。 オーストラリア肝臓炎委員会のHelen Tyrrell(ヘレン・ティレル)氏は、過去に注射器を使用して薬物を摂取、あるいは未消毒の針を使用した刺青やボディーピアスなどの経験がある人は、検査を受けることを検討するように促した。