シドニー23日-50代女性でも、身体的、精神的に健康に出産することができるとする新研究結果が今論議を呼んでいる。
University of Southern California(サザンカリフォルニア大学)の研究者らは、23日にニューオリンズで開かれる国際生殖会議で、高齢者の出産におけるいくつかの懸念事項には根拠がない可能性があることを示す研究結果を発表する予定。研究では、体外受精治療(IVF)を行った50代の女性49人と30代と40代の女性49人を比較。被験者に実施したアンケート結果によると、50代女性は、産後に体調不良を起こす傾向もなく、ストレスなどの精神面は30・40代女性より安定していたことが判明した。
しかし、NSW州大学の母子健康学部の学部長で、IVFオーストラリアの不妊治療スペシャリストでもあるMichael Chapman(マイケル・チャプマン)教授は、今回の研究結果は高齢女性の体外受精治療を容認する動きにつながるものではないとし、「多くの生理学上変化や、糖尿病などのいくつかの病理学上変化は、高齢になるほど大きく、またそういった変化に身体がついていかなくなることが一つの懸念」と語った。
オーストラリアでは、不妊治療を受けることができる年齢に法律上の制限はないが、ほとんどのクリニックは、妊娠合併症を引き起こす危険性が高い50代以上の女性の不妊治療を行っていない。