キャンベラ18日ーチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世(71)が、来月、オーストラリア訪問する。中国政府は17日夜、オーストラリア国内の政治指導者に対し、ダライ・ラマと会わないようにと警告を発した。しかし、ハワード首相はそれを拒否する構えを見せた。
ハワード首相は、Townsville(タウンズビル)でマスコミに対し、「オーストラリアと中国は友好関係にあるけれど」と前置きしながら、誰に会うかは自分自身で決断することであり、他からの指図は受けないと述べた。
ハワード首相と野党労働党のKevin Rudd (ケビン・ラッド)党首は、今週はじめ、ダライ・ラマと面会する予定はないと発表。それに対して中国に迎合しているとの非難があがったので、その後、2人は面会可能な日を特定するためにスケジュールを確認する約束した。
1996年の来豪時にダライ・ラマと面会しているハワード首相は、「全ての人と会うことは不可能だが、国益となるかどうかを見極めて判断したい。誰のアドバイスも受けない」と述べた。
中国の侵攻を受けて1959年からインドへ亡命しているダライ・ラマは、6月6日から10日間にわたり国内に滞在予定。