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エイズ患者、治療薬は依然として入手困難

 【シドニー22日AAP】シドニーで開催された国際エイズ会議で、専門家らはエイズ治療の分野が飛躍的に進歩しているにも関わらず、依然としてエイズが原因で多くの命が奪われている現状を示し、これは「恥ずべき事態」だと語った。

 専門家らは、2010年までに世界中のエイズ患者が治療薬を入手できるようにするという目標達成にはほど遠いことを明らかにした。この目標を達成するためには年間200億ドル以上もの資金が必要で、金銭的問題が大きな課題となっている。

  国際エイズ学会のぺドロ・カーン会長によると、エイズは驚異的なスピードで世界中に蔓延しており、現在の感染者数は4000万人、死者数は2500万人。感染率が比較的低い西洋諸国では治療薬の入手が容易である一方、第三世界の国々では生き延びるための薬の入手が困難なエイズ患者が多い。

 免疫学者のデイビッド・クーパー教授は、オーストラリアのHIV感染率は先進諸国の中でも低く、感染者は年間わずか1000人。一方で、特にVIC州、WA州、SA州では近年感染率が急激に上昇している。

 クーパー教授は同会議で、エイズ患者を隔離するよりむしろ、最善の治療・予防方法に力を注ぐことが重要であると語った。

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