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家庭での喫煙 子供の受動喫煙の影響は予想以上

 【メルボルン12日AAP】ロイヤル子供病院の呼吸器系専門家、スーザン・ソーヤー教授は12日、家庭でタバコの煙にさらされている子供は、喘息、肺炎、耳疾患のみならず、死亡率の高い髄膜炎菌性疾患や乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が高いと警告を発した。

 一方、VIC州がん委員会の調査によると、子供の受動喫煙に対する危険性を認識していない喫煙者は多く、VIC州の喫煙者の半数以上が子供の周りで喫煙を続けているという。

 2006年度の調査の結果、喫煙者約3000人のうち受動喫煙が乳幼児突然死症候群(SIDS)の起因であると認識していたのはわずか30%だったことが判明した。

 ソーヤー教授によると、同病院に入院している子供の43%が家庭でタバコの煙にさらされて生活をしていたという。子供の年齢が低ければ低いほど、リスクが高まる。

 また、タバコの煙にさらされた環境で育つ子供が将来喫煙を始める可能性は2倍。子供が喫煙を始める危険性を半分に抑制するためには、子供が8歳になる前に親は喫煙の習慣を断ち切らなければならない。

 クィットの代表代理スージー・スティルマン氏は12日、家庭や車内での禁煙を促すキャンペーンの新広告を打ち出したと発表した。「受動喫煙には、認知されているだけでも最低250種の有害物質が含まれており、うち50種以上はがんの原因となる」とスティルマン氏。

 現在、車内での喫煙が禁止されているのはSA州のみ。今回のキャンペーンではVIC州政府に対し、車内での禁煙の法律化を求めていく見通し。

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