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中国人抑留者、母国への強制送還を避けるため、かみそりの刃を飲み込む

 【キャンベラ12日AAP】12日に中国への強制送還される予定だった中国人抑留者の男性が、国外追放を避けるために、11日夜、ビラウッド収容所内でかみそりの刃を飲み込み、病院へ運ばれた。

 キーさんとして知られるこの男性は、中国政府が同男性に対して逮捕状を発行した2004年2月にビザの停止を受け、それ以来収容所での生活を送っていた。豪連邦政府が、同男性が有罪判決を受けた場合、死刑にはならないという中国政府からの保証を受けた後、男性は12日に中国へ強制送還され、母国で誘拐と殺人の罪で起訴される予定となっていた。

 避難民活動連合のスポークスマンのイアン・リントール氏によれば、同男性は中国に強制送還されるよりは、オーストラリアで死ぬことを望んでいるという。キーさんは、以前に収容所で自殺する危険が高いとして監視されていたことがある。同男性はバンクスタウン病院で、無事にかみそりの刃の摘出手術に成功し、 連邦政府は、男性の容態が回復し次第、強制送還を行う予定。

 亡命者リソースセンターのパレラ・カーさんは、キーさんが、署名も日付も入っていない不審な中国政府からの書類をもとに、十分な身分確認が行われないまま強制送還されることに対して、懸念を示した。亡命者擁護団体は、キーさんが中国へ強制送還された場合、死刑される可能性を懸念し、国外追放を中止させる裁判所の差止め命令の要請を検討中。

 国連は連邦政府に対し、強制送還を延期し、さらに詳しい調査を行うようにと要求している。

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