【メルボルン9日AAP】子供のときに虐待された人は虐待されていない人と比較して、大人になってから貧困者になる可能性が高いという最新の研究結果が発表された。
モナッシュ大学にある国立児童虐待防止研究センターが行った研究では、貧困に直面している男女各10名の被験者との面談が行われ、その結果児童虐待が貧困に大きく関与していることが発見された。
主任研究員のジョン・フレデリック博士は、被験者の中には刑務所に入っていた親を持つ人もいたが、父親が職人や会計士、農民、警察などの職業に就いていたという人もいたと述べ、「経済的に問題のない家庭で育ったとしても親から良く扱われなかった人は、その後の人生で多くの苦労を味わう可能性があります。これは、特にうつ病などの精神衛生上の問題を抱えることが大きな要因です」と語っている。その一方で、愛情に満ちた家庭で育った人は、その後に豊かな人生を送る可能性がより高いという。「経済的に豊かなだけでなく、対人関係や自分に対する自信や充足感、他人に対する充足感などを得られるという点で豊かな人生といえます」とフレデリック博士は述べている。
フレデリック博士は、今回の研究によって虐待を受けている子供たちを救済するための介入が増すことを期待していると語っている。