【シドニー18日AAP】シドニー大学の報告書で、たんぱく質の摂取量を減らすことで寿命が延びる一方、繁殖能力が低下する可能性があることが判明した。
栄養失調を起こさない程度に栄養分の摂取量を減らすことで寿命が延びるという考えは長い間認知されてきた。しかし、その要因がカロリーの制限なのか、あるいは加齢に影響を与える特定の栄養分の制限なのかは不明だった。
シドニー大学の生物・科学部のステファン・シンプソン教授とソウル大学、オークランド大学、ニューサウスウェールズ大学、マッコーリー大学との共同研究で、延命のカギはカロリーの制限ではなく、たんぱく質と炭水化物のバランスにあることが明らかになった。
ミバエを使用した実験の結果、シンプソン教授は、たんぱく質の摂取量を制限したミバエは最も長く生き、たんぱく質を大量に摂取したミバエは早い段階で死に至ったと述べた。一方、「繁殖にはたんぱく質が必要であるため、結果として、ミバエは延命と繁殖の間で選択を迫られることになる。食事、栄養摂取、寿命と繁殖の関係を調べる今回の研究で、ミバエは長く生きることよりも繁殖を選択することが分かった」とシンプソン教授。