【キャンベラ19日AAP】19日午前に行われた北京オリンピック参加選手の壮行会でケビン・ラッド首相は、オリンピック開会式に出席することを明らかにした。チベット問題に絡んで各国の首脳が開会式への不参加表明を行っている中で行われた今回のラッド首相の発表に対し、各方面で賛否両論となっている。
チベット問題を含む中国政府の人権問題対処に反対の姿勢を示し、オリンピック開会式の欠席が見込まれているのは、潘基文・国連事務総長、ゴードン・ブラウン英首相、ニコラ・サルコジ・フランス大統領及びカナダ、ドイツ、ポーランド、チェコ共和国の首脳などである。ただしブラウン英首相は次回オリンピックがロンドンで行われることもあり、閉会式には参加するとみられている。
ラッド首相の開会式出席に関して、オーストラリア緑の党のボブ・ブラウン党首は「中国政府がチベット問題解決に向けた行動を取らない限り開会式に出席するべきではない」と非難。豪チベット評議会も失望の意をあらわにした。
一方で、キャンベラの中国大使館は今回の首相の決定を歓迎。また、豪オリンピック委員会のジョン・コーツ委員長も「首相がそばにいてくれるというのはとても心強い」と話し、これで選手たちの士気がより高まるとして首相の開会式出席を歓迎するコメントを述べた。
ラッド首相はオリンピック開会式出席のため、8月7日から10日まで北京に滞在する予定。