【キャンベラ20日AAP】 オーストラリアの医療専門家によると、インフルエンザの予防接種を受けた人で、インフルエンザに感染した人の数が今年、過去の記録を大幅に上回ったことが分かった。予防接種の効力が弱まっている可能性があり、効力を高める方策が検討されているもようだ。
世界保健機構が今年、インフルエンザの流行シーズンに選定したワクチンの効き目は「普通~良い」とされているが、昨年までの効力がなく、その理由は今のところ不明だという。専門家によると、オーストラリア国内のインフルエンザによる死者は約100人となっており、感染者数は昨年の2.5倍だったことが分かっている。
保健当局は、とくに高齢者の間で予防接種の効果を高める方法を検討しており、そのうち一つは予防接種を4倍の強さにすること、もう一つは免疫性を高める作用のある物質を加えたワクチンを使用するものだという。海外で行われた治験では、標準のワクチンよりいくらか効き目は上がったものの、副作用の症状も増したことが分かっている。