【シドニー16日AAP】 オーストラリアで出産する女性に対し、胎盤を食べる行為は安全でない可能性があるとして、専門家が注意を促している。出産後に胎盤を食べると、産後うつの発症を抑えたり、母乳の分泌が促進されるなどのメリットがあるとされるが、いずれも科学的な証明はなされていない。
VIC州のディーキン大学で生殖・発生生物学部の講師を務めるマクニール氏は、胎盤は母親と胎児の間でさまざまな物質の流れをコントロールする役割を果たしているとして、有毒性があり、バクテリアが存在する可能性があるため、これを食べる行為について危険性を否定できないとしている。
米国では今年に入り、病理管理・予防センターが、西洋諸国を中心に胎盤を食べることが話題となったり、実際に食べる人が増えていることを懸念し、付随するリスクについて警告を発表している。同センターによると、母親が摂取したカプセル型の胎盤がB群連鎖球菌に汚染していたため、生まれた子供にも感染した症例が報告されているという。