【シドニー29日AAP】 オーストラリアの医師団体オーストラリア医師会(AMA)は、老齢の医師が医療行為を行うのに適正な健康状態であることを判断するため、健康診断を義務化することについて、支持する姿勢を示した。一方、王立オーストラリア一般開業医学会(RACGP)などは、医師を差別することにつながると批判している。
オーストラリア医療委員会(MBA)はこのほど、患者の安全を守り、医療従事者への信頼を強化するため、新たな規約を制定した。これによると、オーストラリアで開業する70歳以上の開業医は、同僚による評価や認識調査などを含む健康診断を、3年ごとに受けることが義務付けられる。
一方、王立オーストラリア内科医学会(RACP)のサイデル学長は、同会会員は一般医療とオーストラリアのコミュニティに人生を捧げてきたとした上で、「いかなる差別的な選別も、その対象となるに値しない」と反論した。ただ、医師に対する裏付けのある苦情について、MBAは徹底した調査を行う方針を打ち出しているほか、医師たちは年間50時間の職業訓練が課されるという。