【シドニー15日AAP】 オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の科学者らが、オーストラリア特有の動物として知られるカモノハシについて、カモノハシの母乳に含まれるたんぱく質が、抗生物質に耐性を持つバクテリアに効力を持つ可能性があるとする研究結果を発表した。
学術誌「ストラクチュラル・バイオロジー・コミュニケーションズ」に発表された研究によると、カモノハシの母乳の成分を詳しく調べた結果、これまで発見されたことのない「輪っか状のたんぱく質」が含まれており、これを薬の効かないバクテリアを死滅させるのに利用できる可能性があるとしている。
CSIROのニューマン博士は、今回の発見について「非常に優れた発見」と述べ、将来的には人命を救うことにつながる可能性のある研究だとして、さらに次の段階へ進めたいと高い期待を示している。世界保健機構(WHO)は2014年、「ポスト抗生物質時代」への突入を避けるため、早急に対策を講じる必要があると訴えた。