動物いっぱいのファーム「Ba Mack Farmstay(バーマック・ファームステイ)」に行ってきました。ここは285エーカーのメリノ羊の牧場にファームステイできる宿泊施設で、シティから西に車で4時間半、一度マジーを経由して南に20分くらいで到着するウィンディアという街に位置しています。
友人が仕事としてステイするのに同行したのですが、宿泊というよりは羊の毛刈りの掃除、排泄物の掃除など、微力ながらお手伝いをさせてもらいました。今回は、子どものいる家族もしくは友人同士の週末旅行にぴったりな、Ba Mack Farmstayについてご紹介したいと思います。
ジュリー(写真左)とケイト(写真右)
Ba Mack Farmstayは、お母さんのジュリーと娘のケイトの2人暮らしの家族が運営するファームです。いや、正確には2人暮らしじゃないかも? ファームには約300匹の羊をはじめ、ニワトリ(たくさん)、アヒル(たくさん)、カモ(たくさん)、豚(2匹)、ロバ、アルパカ、ヤギ、馬(7匹)、ポニー(2匹)、牛(2匹)、犬(7匹)、猫(4匹)、オウム、ガラー、黒いコッカトゥーなどが仲良く暮らしているからです。実際にはRoustaboutというお手伝いの人がくることもありますが、ほとんどの動物たちを親子2人で世話しているというのだからビックリ!
ジュリーは「田舎の料理上手で優しいお母さん」を体現したような人で、ケイトは「田舎の超ピュアな少女」という形容がぴったりの女の子です。誇張ではなく本当にそのままで、特にケイトは「純粋」が服を着て歩いているような子でした。ファームでのびのび暮らす動物たちは、ジュリーとケイトの家族そのもの。人間以上にフレンドリーでよく躾けられているジュリー自慢の子どもたちです。歌の上手なオウムのオラフとピアノを弾いたりボードゲームをしたり、7匹のわんこと池まで散歩をしたり、羊やアルパカをひたすらモフモフしたり、毛刈りを見学したり、だんだん自分も動物になったような気分に……。
ジュリーはもともとシドニー生まれで、子どもの頃から休暇にはファームステイをしていたそうです。大自然と動物に囲まれたファーム生活が忘れられず、夢を叶えるために今から20年以上前にマジーへと移住。牧場のノウハウを地元の人々に学んで、いまのBa Mackをつくり上げたのです。そんなジュリーの新たな夢は、彼女の思い出にある子どもの頃のファーム生活を都会の人々にも体験してもらい、一生の思い出として心に入れて持ち帰ってもらうこと。
Ba Mackの「Ba」はジュリーのおばあさんの愛称から、「Mack」はオーストラリアの聖人メアリー・マッキロップから。この聖人のモットーが「Never see a need and without doing something about it. (動かなければ何も始まらない)」ということで、都会の子どもたちに本当の自然と動物に触れさせる必要性を感じたからと、ジュリーは言います。
コテージ外観
古き良き牧場生活を体験できるのが、このファームの特徴。そこにインターネットが存在しないのはもちろん、時計も置いてありません。太陽の動きとともに時間はゆっくりと流れてゆきます。毎朝ボリュームたっぷりのイングリッシュブレックファーストを飲みながら焼きたての自家製パンが食べられます。アフタヌーンティーにはスコーンやビスケットなどを一緒に作って楽しみます。オプションで新鮮素材のディナーや自家製アイスクリームなども作ってもらえます。
宿泊できる施設はふたつの中から選べます。ひとつがコテージで、もうひとつがトレイン。どちらもベッドルーム、キッチン、バスルーム、洗濯機、ポーチなどホテルの基本設備を完備。そこにマシュマロトーストもできる焚き火セットなど、カントリーな要素が満載! 窓から外を見れば、そこに動物はいますが、人間はいません。特にトレインは、昔シドニーで使われていた赤い客車を改装していて、近くに夕日を眺めるためのベンチもあります。個人的にはトレイン推し!
トレイン外観
子ども向けの乗馬、動物の餌付け、子羊の水やり、ニワトリの卵拾いの他にも、自分の希望でいろいろとオーダーメイド可能。毎日午後1時から5時までのキッズクラブでは、Child Safe Accreditationの資格を持っているジュリーとケイトが子どもと遊んでくれるので、親御さんはマジーの街へ観光に行ったり、ワイナリーへ寄ったり、ふたりで静かに過ごすこともできます。
動物に少し緊張するという子どもも、ジュリーとケイトの手にかかれば、あっという間に仲良しに! もちろん、動物や自然の生態、酪農の仕事について知識と経験があるので、そうした質問にも答えてもらえます。友人は長くステイして、土地の再分配と、放牧のトレーニング、牧場の牧草地やゲートを回ってデジタルマップを作成していました。
夜になると、そこらじゅう満天の星空が楽しめます。ファームから車で15分のところに地元のマジー天文台もあるそう。車で45分ほど走ると、砂金の採掘が体験できるヒル・エンドという鉱山の町もあります。
上記サービスまるごと込みで、ひとり1泊$140(生後12カ月までの赤ちゃんは$40)、最低2泊から利用できて3泊すると4泊目が無料になります。なので、ひとり4泊$420(生後12カ月までの赤ちゃんは$120)。
3連休やスクールホリデー中は、ひとり1泊$160(生後12カ月までの赤ちゃんは$60)、最低3泊から利用できて4泊すると5泊目が無料になります。
リピーターは毎回宿泊10%オフ。ちょっとお値段は張りますが、ジュリーが自信を持って言うように、一生の思い出づくりにどうでしょうか? 実際に2日間だけお手伝いした私ですら、オーストラリアでとっておきの思い出ができました。
そういえば、マジー発のローカルブランド「Red Tractor Designs」がどれもオージーらしくて、中でもティータオルなど日本へのお土産にもオススメ。マジーのアーティストなので街でも買えますが、オンラインストアもあるようです。
外部リンク
文:武田彩愛(編集部)
©︎Ba Mack Farmstay