♦セニハラさん♦
昔からの言い回しの一つで”背に腹はかえられない”というのがあるが、私は子供の頃、この言葉を聞いて"セニハラさん”という偉い人がいて、その人の偉さには誰にもかなわないので、”セニハラにはかえられない”という意味だと本気で思っていた。 そんな偉いセニハラさんを呼び捨てするなんて”失礼じゃないか”とセニハラさんへの敬意まではらっていたのだ。
私が中学3年生の時、担任の先生は国語の先生で、中学3年の夏休みの宿題として"将来の夢”という作文を提出することになった。
周りの友達は、将来は自営業をしたいとか、東京に出てOLをしたいとか、お笑い芸人になりたいとか、それぞれの夢があったのにも関わらず、私はただ”偉い人になりたい”というのが夢だったので、”セニハラさんにかえられないような偉い人になりたいと思います。”といった内容の作文を提出し、”我ながら上出来だなぁ”などと思ったりしていた。 そうこうしている内に中学生最後の夏休みは終了し、進路決定の親子三者面談が始まった。
そんな作文を読んだ私の担任の先生は、母との面談の際に、”とても想像力のある息子さんですね・・”と、褒められているのか、なんだかわからないコメントを残され”は、はぁー・・スミマセン・・・”と、訳がわからずとりあえず頭を下げた私の母は、帰り道に私の頭をピシャリとひっぱたいた。
そんな漠然とした夢を持った私の中学生生活にもピリオドを打つ日が来る事となり、なんとか地元の公立高校に合格した私は晴れて卒業式に参加することになった。
3年間通った中学生生活の中で、朝礼でしかおめかけすることがなかった校長先生からの祝辞と、これまた初めてお目見えしたPTA会長さんの朗読が延々と続き、退屈してしまった同じクラスの西村君は、私の横で立ちながら爆睡していた。 そんな彼を見て”そういえば大人はこうして立ちながらでも電車で寝るよなー”と、ふと大人へのなる事への理解を示したのもこの頃である。
無事に卒業式を終え、それぞれ教室に戻ると担任の先生が”まってました!”といわんばかりの泣かせるお話を皆に聞かせ、クラスのほとんどの女子が泣いていた。 「それぞれ個性のある皆が大好きだ」と先生がいってくれた時には、私もうるっときたものである。
そんなセンチメンタルな気持ちにひたった私たちにそれぞれ卒業アルバムが配られ、それと同時に、例の”将来の夢・作文集”が配布された時は正直目玉が飛び出すかと思った。 私は”ひぃーーーっ・・・”と心の中で悲鳴を上げ、”どうか私の作文だけが何かの拍子で抜けていますように・・”と神様にお祈りするまもなく、「うわぁーー!野尻の作文みてみろよーーー!あほやでーーこいつーーー!」と大きな声がクラスの後ろのほうであがった瞬間、私のセンチメンタルな思いが、パラノイドな悲鳴に変った。
あれから15年以上経つが、私がセニハラさんのように偉くなる事は未だ達しておらず、あえて言うならば背中の肉が腹にがっつりとついた事くらいであろうか。 背のぜい肉はに腹にかえられるもんだなーと思える今日この頃である。
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