♦きゅうり撲滅♦
私はキュウリが大嫌いである。 ”いつからキュウリ嫌いなの?と言われてもわからないが、きゅうりをお初にお目にかかった時から嫌いな気がする。
もっとも味や匂いが一番嫌いなのだが、きゅうりの表面にあるイボイボや”きゅうり”といったまぬけな名前まで嫌いなのだから、本当に大嫌いなのである。
私が子供の頃、夏になると公園や神社にいってはクヌギやブナの木によじ登りカブトムシ採りをしていたが、
取れたカブトムシを持ち帰ってはきゅうりを与えていたものだ。 それが引き金となってか、”カブトムシ=キュウリの臭い”というイメージが未だに強く、”きゅうりの丸かじり”=”かぶとむしの丸かじり”と気味の悪い方程式が私の中で残ってしまっているのだ。
日本のファミリーレストランなどに行って、ハンバーグステーキセットなどを注文すると小さなサラダがついてくるが、それにも必ずキュウリの薄切りが2枚ほどキャベツの上にベットリ乗っかっていたり、真っ赤なトマトさんにもたれかかっていたりと、他の野菜にご迷惑をかけるのもやっぱりきゅうりである。
そのおかげで、たまたまキュウリの下にあったキャベツやレタス、おいしそうなトマトまで”カブトムシの臭い”が付着してしまっていて食べられくなってしまうのである。 ちなみに手にししているお箸にまで臭いが付着しないように、お箸を逆さに持ち替え、キュウリを取り除くという面倒な作業が、私のキュウリ嫌悪度を倍増させるのだ。
そんなキュウリが”お肌にいい”などときゅうりパックなどが世界中で流行った時には、”くそぉーー、きゅうりのやろぉーー!”と、きゅうりの成功を素直に祝福してやれなかったのもこの私である。
そんなきゅうり嫌いの私が黙認している存在は、”ズッキーニ”である。
日本ではあまり見かけない野菜だが、きゅうりと容姿は非常に似ているのだが、きゅうり独特のイボイボも特有の臭いも無いので、私としてはきゅうりの存在を脅かすダークホース的存在だ。
名前も”ズッキーニ”とまるでアメリカのスケボー黒人少年のニックネームのようで、”やぁ、ズッキーニ!今日もいかしてるね!”などと、ラッパーのお兄さんがニューヨークの道端でウインクを投げたりしそうで、野菜の名前としてはイケてるのである。
かといって、何かの間違いできゅうりがいかした名前に改名されたとしても、異臭とイボイボ、そして幼少時代のカブトムシの思い出がトラウマになってしまうので、例えきゅうりの親方が我が家に訪れ、土下座をして謝ったとしても私のきゅうりへの思いは変わらないであろう。
きゅうりの名産徳島県の皆様には大変申し訳ないのだが、ズッキーニには、近い将来どんどん日本市場にも出ていただき、世界中のきゅうりのシェアをふんだくって頂きたい物である。 流通が激しい日本市場で今もしぶとく生き残るきゅうりの存在は”老舗”といえるが、きゅうりはこの機会に私からの厳しい指摘を真摯に受け止め、1から出直して頂きたい。
これまできゅうりについて厳しいコメントをさせて頂いたが、きゅうり撲滅運動に参加されたい読者の皆様は是非ご一報頂きたい。 近い将来きゅうり撲滅運動の会長として世界中からきゅうり反対派メンバーを呼び寄せ、ジョージストリートあたりを大パレードしたいものだ。
その際には反対派リーダーのズッキーニにも是非参加して頂き、勝利をたたえてバンザイの音頭をとっていただこうではないか。
♦シドニー・クリエイティブフォトグラフィー♦
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