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シドニーお薦め観光スポット

シドニーお薦め観光スポット

 

1. オーストラリア概観

(1)オーストラリアの位置・広さ・気候など
 唯一の大陸国家オーストラリアは、最も古い陸地のひとつ。その国土は赤道付近から南緯40度まで広がり、熱帯と温帯の両方にまたがっているため、景色、気候、植物も地方によって大きく様変わりする。世界の平均海抜700mに比べて300m以下、そして最も平坦で降雨量が少ない大陸。東南部にあるオーストラリア・アルプスは、1,800m以上の山がある山岳地帯で、最高峰のコジアスコ山(2,228m)がある。
 面積は日本の約20倍の約770万k㎡で、旧ソ連、カナダ、中国、米国、ブラジルに次ぎ世界で6番目の広さ。気候は、南回帰線から北の地域(大陸の約40%)の熱帯性から南部の温帯性まで多様で、北部は乾期と雨期が、南部には四季がある。

(2)シドニーの概要
 シドニーは、オーストラリアで最大また最古(1788年開基)の都市で、ニュー・サウス・ウェールズ州の州都。人口は約400万人で、オーストラリアの経済、交通、流通、文化の中心。国際的な観光都市でもあり、2000年の夏季オリンピックの開催地。
 イギリス人による最初の入植は1788年で、最初はニュー・アルビオンと命名されたが、まもなくイギリスの政治家、トマス・タウンゼント(シドニー卿)にちなんでシドニーと呼ばれるようになった。植民地開設の特許状がシドニー卿のあっせんによって交付されたことが由来と言われている。
 1851年最初のゴールドラッシュでシドニーの人口は急激に上昇。急速な工業化とともにシドニーは大都市となる。
 20世紀に入ると、ヨーロッパ、アジアからの移民により人口が増加し、現在の都市が作り上げられる。
 シドニー居住者の大多数はイギリスおよびアイルランド系。近年の入植者はイタリア人、ギリシャ人、レバノン人およびアジア系が含まれる。

2. シドニー市内の名所

(1)オペラハウス(Opera House)
 高さ183m、幅120m。海面下25mまで打ち込まれたコンクリート製の杭が建物の基礎となっている。屋根と外壁の白いシェルには、スウェーデン製の汚れが自然に洗い流されるように作られたタイルが105万6,000枚張られている。デザインはオレンジの皮を剥いた形からきている。当時無名のデンマークの建築家、ヨーン・ウッソンの設計案が世界からの応募233件の中から選ばれ、1955年に基礎デザインが決定した。
 当時のケイヒル首相は、シドニー中心部の北西に位置するウィンヤード駅周辺を希望していたが、ニュー・サウス・ウェールズ州立音楽院の校長であったユージン・グーセンスが、シドニー市街北部の岬、ベネロン・ポイントに劇場を建設するよう主張。1901年以来マッコーリー要塞(Fort Macquarie)に建っていた路面電車の車庫を1958年に取り壊し、1959年3月にオペラハウスの着工が始まった。
 完成したのは1973年で、予定より10年遅れであった。総工費は1億200万ドルで、当初予定の700万ドルの14倍以上。工費は宝くじ資金などにより1975年に完済された。
 第31回世界遺産委員会(2007年)において、「人類の創造的才能を表現する傑作」という基準を満たし、世界遺産に登録される。オーストラリア国内で17番目、文化遺産としては「王立展示館とカールトン庭園(メルボルン)」に次いで2番目の世界遺産で、年代的には最も新しい世界遺産。

コンサートホール:収容人数2,679席。10,154ものパイプのあるパイプオルガンが設置。
オペラ劇場:1,507席
ドラマシアター:544席
プレイハウス:398席
スタジオシアター:350席

(2)ハーバーブリッジ(Harbour Bridge)
 ポート・ジャクソン湾(シドニー湾)の南岸にあるシドニーの町と、北岸にある近郊の町を道路と鉄道で繋ぐために架けられた。橋の両端にある高さ100m近い石造りの支柱(パイロン)を支えに鉄のアーチがかかり、橋げたを吊り下げている。全長は約1,500m、パイロン間の長さは約500m。アーチの最上部の高さは134mで、1967年までシドニーで最も高い建物だった。
 1923年に着工、1932年に完成したシングルアーチ橋で、ハイウェイ(8車線の車道)と複線の鉄道線路、歩道が走っており、ギネスブックによると車線が世界一多い橋とされている。

(3)ロックス、サーキュラーキー(The Rocks & Circular Quay)
 サーキュラーキーはシドニーの交通の中心で、バス、電車、フェリーの中継地点であり、海の玄関口と言われている。オペラハウス、ハーバーブリッジ、ロックスといった観光名所に隣接していることもあり、旅行者で賑わっている。週末になるとストリート・パフォーマーもあちこちで見られる。
 古い石造りの街並みの景観が美しいロックスは、入植当時周辺の砂岩を使って建物を作ったことが名前の由来となっている。1788年にヨーロッパ人がオーストラリアに最初に入植した地で、初期には船員や売春婦の集まるスラムであった。1800年代後期にはロックス・プッシュ〔The Rocks Push、後のシドニー・プッシュ(The Sydney Push)〕と呼ばれるギャングが支配し、1970年代頃までその支配が続いた。
 第一次、第二次世界大戦、ハーバーブリッジの建設などでロックスの街の一部は壊された。1968年にロックスの大規模な建て直しが予定されたが、地元住民の猛反対により修復するのみにとどまり、現在の景観を保っている。

(4)ロイヤルボタニックガーデン(Royal Botanic Gardens)
 オペラハウスのすぐ隣に位置する1816年設立の王立植物園。オーストラリアの植物や海外の植物、珍種、絶滅の危機にある植物など1万7,000種類以上もの植物が見られる。ローズ・ガーデンもある。ウォレミ・パイン(Wollemi Pine)という、ジュラ紀から生息する松が有名で、小さな恐竜(Small Dinosaur)というあだ名がついている。カフェ、レストランもあり、結婚式が行なわれることもしばしば。
 毎日開園で入園無料〔ピラミッド型の熱帯植物園(Tropical Centre)は有料〕。開園時間は午前7時から日没まで。

(5)ミセス・マッコーリーズ・ポイント(Mrs Macquaries Point)
 オペラハウスの東側、ファーム・コーブ(Farm Cove)を曲がると緑に囲まれたミセス・マッコーリーズ・ポイントがある。シドニー湾とオペラハウス、ハーバーブリッジが一望できる絶好の撮影ポイント。ここにある椅子の形をした石は、マッコーリー総督の妻エリザベスが故郷英国を想い毎日腰掛けていたところからミセス・マッコーリーズ・チェアー(Mrs Macquaries Chair)と名前がつけられた。ここに座って願い事をすると叶うという言い伝えもある。 

(6)州立美術館(Art Gallery of New South Wales)
 アボリジニ、オーストラリア、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカ、大西洋など世界中のアートを展示している。フィルムの上映やパフォーマンスも行なわれている。
 開館は午前10時〜午後5時(グッドフライデーとクリスマスを除く。水曜日のみ9pmまで開館)。一部の展示を除いて無料で入館できる。レストラン、カフェもあり、休日のひとときを過ごすには快適。毎週金曜日の11時30分から、無料の日本語ツアーも行なわれている。

(7)チャイナタウン(Chinatown)
 サセックス・ストリート(Sussex Street)とリバプール・ストリート(Liverpool Street)が交差するあたりからヘイ・ストリート(Hay Street)、そして、ジョージ・ストリート(George Street)とダーリング・ハーバーに挟まれたエリアがシドニーのチャイナタウンだ。1860年に初めて作られたチャイナタウンは、サリー・ヒルズ(Surry Hills)周辺だったが、1920年から1930年代にかけて、現在のヘイマーケット(Haymarket)周辺へと移動した。
 2月に3週間続くチャイニーズ・ニュー・イヤー・フェスティバルは、アジア以外で行なわれる太陰暦の祭りとしては最も大きなものの一つとされている。中国庭園(Chinese Garden of Friendship)はグッド・フライデーとクリスマスを除く午前9:30〜午後5:00または5:30まで開園(有料)。

(8)キングスクロス(Kings Cross)
 ダーリングハースト ロード(Darlinghurst Road)を中心に、大きなコカコーラの看板から、噴水のある公園までの一帯がキングスクロス。風俗店やアダルトショップ、ナイトクラブなどが軒を連ねる歓楽街として有名。
 最近はおしゃれなカフェや高級レストランなどが数多く出始め、トレンディ・スポットとして生まれ変わろうとしているが、麻薬常用者などもいまだに多く、裏道を歩く時は昼間でも注意が必要である。

(9)スター・シティー(Star City)
 ダーリング・ハーバー(Darling Harbour)に面するスター・シティ・ホテル(Star City Hotel)内にあるシドニー唯一のカジノ。一般とプライベートでプレイできる2フロアがあり、200を超えるテーブルと1,500台ものスロットマシンがあり、24時間営業。
 ホテルは352の部屋とアパートメント139部屋、7つのレストランと8つのバー、劇場やプールが備わった5つ星。カジノは18歳以上が利用可能で、写真等の撮影は一切禁止。服装規制があり、短パンやゴム草履などでは入場を断られる場合がある。両替カウンターで日本円の両替も可能。

(10)フィッシュ・マーケット(Sydney Fish Market)
 ピアモント(Pyrmont)のバンク・ストリート(Bank Street)にあるフィッシュ・マーケットは、1945年にニュー・サウス・ウェールズ州政府によって設立された。1994年に民営化され、現在は100種類以上もの魚介類が毎日市場に出ている。1989年に始まったシドニー・シーフード・スクールはほぼ毎日開講されており、タコやカニ、アワビやムール貝など、さまざまなシーフードを使った料理を有名シェフから学ぶことができる。
 セントラル駅、ヘイマーケット、ダーリング・ハーバーからメトロ・ライト・レイル(Metro Light Rail)でフィッシュマーケットのすぐ目の前まで行ける。クリスマス以外午前7時から毎日営業。 

(11)パディントン(Paddington)
 オックスフォード・ストリートを南東に行くと、おしゃれな若者に人気の街・パディントンがある。ショッピングのメッカで、アーティスト、ゲイの街としても知られている。レストランも数多く、1973年から続いている土曜日のフリー・マーケットも有名。可愛らしいテラスハウスや、ナショナル・トラストにも登録されている建築物なども街の雰囲気を作っている。
 ビクトリア・バラックス(Victoria Barracks)は1870年までイギリス軍の兵舎だったもので、現在はオーストラリア陸軍が使用している。建物内はガイドツアーで見学できる。

3. シドニー近郊の楽しみ方

(1)ライカート(Leichhardt)
 シドニーの「リトル・イタリー」として知られるイタリア人街。街の名前は、シドニーとノーザン・テリトリー北端までを結ぶ陸路を征服し、その後パースまでの大陸横断の途中で消息を絶ったドイツ人探検家、ルードウィッヒ・ライカート(Ludwig Leichhardt)にちなんでいる。中心のノートン・ストリート(Norton Street)にはイタリアン・レストラン、カフェ、ピザ屋が立ち並び、ジェラートやイタリアのお菓子が食べられる。中心にあるイタリアン・フォーラムは地中海の街角を感じさせる作りで、週末には生演奏を聴きながらイタリアン・レストランで食事することもできる。
 3月末から4月上旬にかけて行われるイタリアン・フェスタには、音楽やアトラクション、100以上の出店、ウェイターのレースなどイベントが盛りだくさんで、13万人もの客が訪れる。

(2)イーストウッド(Eastwood)
 電車のノーザン・ラインでシティーから30分ほど北西へ行ったところに、アジア色濃いイーストウッドがある。自治体はライド(Ryde)とパラマタ(Parramatta)の二つあり、またリージョンでもロウアーノースショア(Lower North Shore)とヒルズ・ディストリクト(Hills District)に分かれている。
 街自体も分かれており、イーストウッド駅の東側は通称コリアンサイドと呼ばれ、ハングル文字で書かれた韓国系の店が多く、西側はチャイニーズサイドと呼ばれ、中国系のお店が並んでいる。韓国、中国などアジアの食材は何でも安く手に入り、レストランも多く、夜でも活気がある。

(3)マンリー(Manly)
 マンリー・ワーフがありシティーからフェリーで約30分。旅行者が多く、マンリー・ビーチにはサーフィンやボディボードをする人も多い。その他ダイビング、シュノーケリング、ウインド・サーフィンやパラセイリング、釣りといろいろ楽しめる。
 マンリー・オーシャンワールド(Manly Oceanworld)は、長さ110メートルの海中トンネルが人気の水族館で、サメと一緒に泳ぐこともできる。10月にはマンリー国際ジャズ・フェスティバル(Manly International Jazz Festival)、6月にはマンリー・フード&ワイン・フェスティバル(Manly Food and Wine Festival)とイベントも多い。マンリーの丘の上にあるセント・パトリックス・エステート内のカーディナル・セレッティ・メモリアル・チャペルで、女優ニコール・キッドマンと歌手キース・アーバンが結婚式を挙げたことも話題となった。

(4)ボンダイ(Bondi)
 シティーから10分と近い位置にあるのがボンダイ・ビーチ(Bondi Beach)で、若いサーファーから富裕層までいろいろな人が住むエリア。ボンダイ・ビーチから南へと続く遊歩道を歩けば、タマラマ・ビーチ(Tamarama Beach)、ブロンテ・ビーチ(Bronte Beach)まで行くことができる。そのまま下ればクロベリー・ビーチ(Clovelly Beach)、クージー・ビーチ(Coogee Beach)へと続く。
 11月に海岸沿いがアート・ギャラリーとなるスカルプチャー・バイ・ザ・シー(Sculpture by the Sea)では、世界中のアーティストの作品が遊歩道にずらりと並び、多くの観光客を呼ぶ。8月に行われるシドニー恒例のマラソン、シティ・トゥ・サーフ(The Sun Herald City 2 Surf)のゴール地点。

(5)ピットウォーター(Pittwater)
 シドニーからピットウォーター・ロード(Pittwater Road)を1時間ほど北に行くと、ノーザン・ビーチズ(Northern Beaches)という地域になる。そこにある内湾がピットウォーター。ピットウォーターは釣りが有名で、ボートの貸し出しもしている(日本人会釣りクラブの内湾釣り大会の会場)。他にもキャンプ、ブッシュウォーキングもでき、野生のワラビーなどを見かけることもできる。反対側にある高級地パーム・ビーチ(Palm Beach)は、オーストラリアのドラマ、ホーム・アンド・アウェイ(Home and Away)のロケ地としても有名。

(6)ローズベイ、ダブルベイ、ワトソンズベイ(Rose Bay, Double Bay, Watsons Bay)
 シドニーのイースタン・サバーブ(Eastern Suburb)に、ローズ・ベイ(Rose Bay)、ダブル・ベイ(Double Bay)、ワトソンズ・ベイ(Watsons Bay)という3つの高級ベイ・エリアが続く。お洒落なダブル・ベイの中心にあるノックス・ストリート(Knox Street)には高級ブティック、ジュエリー・ショップ、カフェやレストランが集まっている。ローズ・ベイには有名人も多く住み、ビーチとワーフ、そして街並も美しく、住む人の年齢層も比較的高く落ち着いたエリアだ。
 ローズ・ベイの先、シドニー湾に南側から突き出したサウス・ヘッド(South Head)にあるのがワトソンズ・ベイ。ギャップ(The Gap)と呼ばれる断崖絶壁と、はるか遠くにシティーの街並やハーバー・ブリッジなどを見渡すことができる。

(7)ニュータウン(Newtown)
 書店、シアター、ライブハウス、アンティーク・ショップ、古着屋など、ユニークな店が集まる学生街。アジアやインド料理はもちろん、ペルーやアフリカといったエスニッック料理も食べられる。100以上ものレストランが集まるこのエリアは、食のるつぼといわれている。
 9月に開催されるフィースタビリティー(Feastability)では、ワインやビール、お菓子やパン、エスニック料理が味わえる。ニュータウン・フェスティバル(Newtown Festival)では250もの屋台が並び、3〜5カ所のステージで音楽が演奏され、毎年約6万人もの人が集まる。

(8)チャッツウッド(Chatswood)
 ノースショアでのショッピングというと、まず挙げられるのがチャッツウッド。2つのデパート、2つのショッピング・センター、数々のブティック、映画館、レストランなど何でも揃っており、交通の便も良いため常に賑わっている。居住者の過半数が外国人で、中でも中国人、韓国人が多い。アジア系の食材店やレストランも多いが、お洒落なレストランなどと隣接しているので、街並みのアジア色はそれほど強くない。 
 オフィス街でもあるが、近代的なアパートメント・ビルディングも多く建ち並ぶ。木曜日のレイト・ナイト・ショッピング・デーには、歩行者天国のヴィクトリア・モールに屋台が出て夜まで賑わう。

(9)クロウズ・ネスト、ノースブリッジ、ニュートラル・ベイ(Crows Nest, Northbridge, Neutral Bay)
 北へ走るパシフィック・ハイウェイと、ウィロービー(Willowghby)へ通じるウィロービー・ロード、モスマン(Mosman)方面へと伸びるファルコン・ストリート(Falcon Street)の交差する地点がクロウズ・ネスト(Crows Nest)。この三つの通り沿いにタイ、インド、日本食、イタリアン等のレストラン、カフェやパブが多く、閑静な雰囲気のエリアに賑やさを添えている。10月にはクロウズ・ネスト・フェアも催される。
 ファルコン・ストリートからミラー・ストリートを北へ行くと、大きな石造りの橋がある。この橋の北側にある地域がその名の通り、ノースブリッジ(Northbridge)である。1892年に架けられたこの橋は、キャメレイ・サスペンション・ブリッジ(Cammeray Suspension Bridge)、またはロング・ガリー・ブリッジ(Long Gully Bridge)としても知られている。橋からの眺めは絶景。
 ファルコン・ストリートを東へ行くとミリタリー・ロード(Military Road)に変わり、高級ブティックやレストラン、お洒落なカフェで賑やかなニュートラル・ベイ(Neutral Bay)に出る。名前の由来は、入植当時ここの波止場は外国からの船が入港する場所であったため、ニュートラル(中立)という名前がつけられたという。街の中心にある1885年設立のThe Oaks Hotelというレストラン・バーが有名で、その名にちなんで本物の樫の木も1938年に植えられた。

  

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