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ロードハウ島の海は誰のもの?(後編)

 

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さて、世界中の離島リゾートの抱える共通の問題点ってご存知でしょうか?1.真水の確保、2.汚水処理、3.ゴミ処理ですね。モルディブの場合、現在の人口27万人に対して毎年、その倍以上の訪問客があるのですが、とくに2.の汚水処理と3.のゴミ処理が大問題となっています。  

 

もともと珊瑚が隆起して出来た小さな島で、最大標高が2mたらず。『埋め立てればいいじゃん』と思います?そういう単純な話ではないのです。毎年、何十万トンものゴミ+排泄物(うんこ)をツーリストが残していくことで、海洋生態系が確実に壊されているのです。アトール(環礁)の内側の水深はわずか40m、水質汚染が深刻な問題となっています。また、前のブログで話題にした人気の水上コテージも、実は珊瑚礁に鉄柱を打ち込みコンクリートで固めるんですね、破壊された珊瑚がもとどおりに蘇るまで、数十年の歳月を要するといわれています。  

 

『モルディブの海はいったい誰のもの?』、モルディブ‘(ディベヒ)人?世界中の旅人?そこでリゾートを経営する人?投資家?『あらゆるステークホルダーのもの』なんて、資本主義の原理を持ち出しますか?珊瑚や魚や鳥やイルカやエイも、タコもイカもそんな話は認めないでしょう!『誰のものでもありません』ってーのが、南極みたいでカッコいいじゃないですか。『うんこはさておき、ゴミくらい持ち帰れや』、と賢明なウミカメのぼやきを聞いたような気がします。  

 

さて、話をぐぐーっと戻して…ロードハウ島の場合は、島全体で400床。部屋数でいうとわずか166室!それらが17軒ものロッジ、アパートメント、B&Bに分かれており、それぞれを別のオーナが所有しています。最大規模のロッジでさえ85ベッド(全33室)しかありません。年間の訪問者数は1万2千人程度。海外や本土から観光開発のための大型資本が入りこみづらい仕組みが、島を急激な変化から守り、昔ながらの佇いと、みずみずしい自然を未来に残す役割を果たしているのでしょう。  

 

ピークシーズンといえど観光客でごったがえすことなく、のんびりと静かな時間を過ごせる保証つき。このようなベッド数の制限設定は、この島を愛してやまないリピーターにとって、でりゃーありがいことなのです。観光客が押し寄せることによって、本来の魅力が失われてしまうのは、悲しすぎますよね。『ロードハウ島の海は誰のもの?』、『誰のものでもにゃーだがぁー』と、“なごやん”が自慢するのを聞いたような気がします。(ボクは“なごやん”ではないので、発音ちがっていたらごめんなさい。)

 

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