本多勝一さんの書かれたルポルタージュで、『カナダ=エスキモー』という本を読まれた方いらっしゃいますか?その中に、極限の地で生きるエスキモー(イヌイット)たちは、遠方からの来客をもてなすとき、自分の奥さんまで喜んで提供しちゃってた(過去完了形)、という話がでてくるのですが、(もっと高尚な表現が使われていたとおもいますが、手元に資料がないものでゴメンなさい。氷に閉ざされ、外部から隔絶された世界では、劣性遺伝を避ける上でも必要な行為だったそうですが)、ちょっと興味深いですよね。 ヌクンバティ島のあるこのあたり一帯は、フィジー国内でも最も開発から取り残されているエリアです。海に出て魚や貝をとり、山に行けば芋が掘れるわけで、暖かいところだから着の身着のまま、とても豊かな暮らしを送っているのですが、ボクも一度、奥さんを提供されかけて、お言葉に甘えようかどうか迷った経験が・・・ないっつーの!! そんなもん。
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つい150年くらい前までは、近代文明とは無縁なライフスタイル。村にヨソモノが来る場合は、敵か味方しかないわけで、敵の場合は村を守るため命を賭けて戦い、味方の場合は家族同様にカヴァや食べ物を共有していました。てなわけで(?)要は、フィジーの離島や田舎ではグローバルスタンダードがどうこうじゃなく、昔ながらのやり方で訪問者をもてなし、それが時として期待値を上回る経験だったりするわけなのです。
フィジーに限らず、日本だってどこだって、田舎は大概そーゆーものじゃん!という方、ごもっとも。そうなのです。フィジー自体が田舎なのですが、その中にも都会と田舎があり、田舎の中の都会ほど人の期待を下回る(期待が裏切られる)ことが多いですからねー。でもヌクンバティは絶対に期待を裏切らないと思うのです。
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蛇足ですが、『カナダ=エスキモー』の本は、ヌクンバティ島に残してきました。ここには3000冊を優に越える図書があり、そのうち、500冊近くが日本語の図書なんですね。読書の休日にはもってこいのフィジー、こんな離島に、日本語図書が500冊もあるとは、なんとも不思議です、驚きです、助かります。 【誰も知らない秘密の島inフィジー、ヌクンバティ アイランドリゾート】シリーズはこれでおしまいです。10回も読んでいただいた方、どうもありがとうございます!写真、参考文献でご協力いただいた皆様にも大感謝です。 (おしまい) |
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