Thursday 05/03/09
Happy Mardi Gras! そして、ひな祭り。鮮やかな色合いが共通していますかね。
ここでちょっと、ひな祭りのこと・・・。
古代中国には三月最初の巳の日に川に入ってケガレを清める上巳節という行事があったそうです。それが日本に伝わって、室町時代の貴族の女の子たちの人形遊びである“ひない祭り”が合わさって、ひな祭りの原型ができたようです。今でも、一部の地域に残る“流しびな”の風習は、この由来に習って、子供のケガレをひな人形に移して、川や海に流したことからきています。その後、安土・桃山時代になると貴族から武家へ、江戸時代には、さらに庶民の間に広まったようです。この頃から、ひな段や、桃の花を飾るようになりました。ちなみに、桃の木は、中国では、悪魔を打ち払う神聖な木と考えられていた為、ひな祭りで飾られるようになりました。
今回の料理に行く前に、Ueda君作のオリジナル・ビールをテイスティングです。名づけて“ウエダ・エール”(仮称)だそうです。ゴールデン・シロップ、モルト、ターキッシュ・コーヒーのニュアンスを見つけ出すことができました。口に含めば、エールにしてはソフトな印象で、フレッシュ感も心地よく、Good Job!
さて、料理、料理。
見てください、この目の冴えるようなピンク!
フランス料理の夏の定番の一つ、“ビートルーツの冷製スープ”。暑い日のランチでは、色といい、味わいといい、冷製のスープは心地よく味わえるのもです。チキン・ストックとクリームで伸ばしたスープには、ビートルーツ、キャロット、チリ、カブの串が添えられています。ゲイぽくっていいんじゃない!?
この料理に合ったワインは、今回ゲストのTさんが持ってきたPinot Grisです。非常に相性が良かったんです。Lake George Pinot Gris 2008(ピントが合ってなくてスミマセン)。Canberra Districtからのこの白ワインは、ライム、シトラス、ミネラル、柿、そしてスモーキーなキャラクターが旋回していきます。口に含めば、フレッシュな果実味が心地よく支配していき、余韻に残るピンク・グレープフルーツのような味わいが余韻を引き締めてくれるのです。Score: 15/20
続いて、ひな祭りの定番。
”ちらし寿司”。でも、この色見てくださいな。これまたビートルーツの仕業です。スキャンピ、ホタテ、錦糸卵、ラディッシュ、シソが添えられていて、マヨネーズとコチュジャンがソースになります。かなり苦心した作のようです。個人的には、マヨネーズとコチュジャンのソースはどーかなと思いました。よりも、レモンをギュッと絞っただけのほうが良かったような・・・。
この料理に合ったワインは・・・、
Dashwood Sauvignon Blanc 2008(日通さん提供)。NZのMarlboroughといえば、みなさんご存知SBの有名産地。ライム、青りんご、グーズベリー、青トマト、カプシカム、ディルのような青々とした香りが印象的です。なめらかで、余計な肉付きがなく、スリムでシンプルな趣き。しなやかな酸味とミネラル感が溶けあい、フレッシュ&クリスピーな余韻を楽しませてくれます。Score: 15.5/20
お次は、
スープです。“ピピ貝とオクラのレモングラス風味のスープ”。ひな祭りには二枚貝のスープ(吸い物)が付き物です。かつおと昆布のだしをベースにレモングラスで風味付けした一品。ピピ貝、オクラ、そしてトマトがスープの中を泳ぎます。
このスープに合ったのが、私が持ってきたLost Valley Sauvignon Blanc 2008。以前のブログでこのワイナリーの白ワインCorteseを紹介したこと(ブログ第七十三回)がありますが、今回はSBです。ほのかなフレッシュ・ハーブとミネラルあふれる味わいが特徴を描きます。やや単調に思えるけれども、グリーン・オリーブ、金木犀、ユリのニュアンスを見つけ出すことができ、クリーンで爽快感+スモーキーな味わいがよろしい。 Score: 14/20
メイン・コースは・・・、
“トマトのやさしいオーシャン・トラウトのレッド・カリー”です。フレッシュのトマトとケチャップを使っているので、やさしいスパイシーさがワインとの相性に膨らみを与えてくれます。付け合せは、タケノコ、ベビー・コーン、スネーク・ビーンズで、O/Tの上には揚げたオニオンが添えられています。辛さ、甘さ、酸味が上手に表現されていましたよ、Hideさん。
今回のカリーに合ったワインはというと、Devil’s Corner Chardonnay 2007(日通さん提供)です。TasのTamar Ridgeからのエントリー・レベルのChardonnayです。カリーと???、なんて意外に思われるかもしれませんが、かなりいいマッチングでした。強すぎない樽(ヴァニラ)香、メロンと黄桃の香りに繊細感を感じます。やわらかくしっとりした風で、適度な酸味があり、ちょっとシンプルなテイストだけれど、素直なChardonnayだと言えます。Score: 15/20
デザートの前に、他のワインのテイスティング・コメントを・・・、
NZのHawkes Bayは赤ならMerlotとCabernet Sauvignon、白はChardonnayですね。本日のワインはCraggy Range Kidnappers Vineyard Chardonnay 2007 。このワインはRiseのソムリエUeda君からのもの。メロン、ピーチ、ハニー、オーツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ヴァニラ、ミネラルに透明感も感じられ、やわらかい。ふっくらした質感と、忠実な酸味、そしてミネラルとの構造が上手に表現されています。バランス感に優れていて、味わいの凹凸も滑らか、余韻も安心できるChardonnayです。 Score: 17/20
赤ワインです。Cape Mentelle Marmaduke Shiraz Grenache2005(日通さんからの提供)。WAのMargaret Riverの代表的なワイナリーのCape MentelleからのShirazとGrenacheのブレンド・ワイン。WAではあまりないブレンドです。やわらかく可憐な果実味(ブルーベリーやプラム)と穏やかでスムースなタンニンと酸味のバランスがうまく表現されていて、プロポーションもよろしい。ヴァイオレット、ブラック・ペッパー、クミンの香りが複雑感を与えてくれて、ソフトで、伸びやかな余韻が好印象。 Score: 16/20
今日のUeda君の一言。
本日のゲストTさんに“Ueda君はソムリエにフロアー・マネージャーなんだよね”。と言われ、“それとトイレ掃除もです”、と答えたUeda君。そして両手を腰にあて、満面の笑みで、“トイレ掃除は子宝がいいらしいし、良い子に恵まれるのだそうです”。はいはい。期待してますよ。
さて、そろそろデザート・タイムですか。
“ピーチのムース&グラニータ、白ワインのジェリー”。これまた鮮やかなピンク。使った白ワインはViognierなんだって。料理用のVodkaも少し入っているようです。
このデザートに合ったのが、Mさんが持ってきたスパークリング・ワインCharles de St. Ceran Blanc de Blancs NV。飛鳥2号で頂戴してきたスパークリング・ワインようです。これはフランスのサヴォワ地方のもの。私の第一印象はグラニー・スミス・アップルのタルト・タタン。その後に、洋梨、クインス、シトラスのすっきりとした香りに、ハニーやビスケットの香りが折り重なります。小粒の味わいだけれど、まったく雑味がなく、ミネラル豊富。バランス感があり、飲み込んだあとの青い風味に爽快感があります。 Score: 16.5/20
今回も食べて飲みましたね、皆さん。
その後、私はestであった、スパニッシュ・ワインのマスタークラスに参加しました。これまた、素ん晴らしかったなぁ。その中のワイン、一種類でも自分のワイン・リストに加えられればいいんだけど・・・。
ところで、来月のテーマ、Mさんお願いしますよ。エイプリル・フールでもいいですよ。うふふ。
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