Friday 08/05/09
暖かい日差しが射すRiseのコートヤード。風は少し冷たいけれど、こんな日は、やっぱりお外でワインを傾けるのがやっぱりシドニー風。
時間通り来たのは、今回のゲストのデニス・ギャスティンさんだけ。みんな遅刻組みでーす。私は、5分ほど遅れての到着。ちょうど、彼が、韓国の雑誌かなんかに載せるアーティクルを書いているところでした。その中の一つ、“人生最後のワインは何か?”、という問いに、私だったら何かと質問されました。うーん、なんて考える必要もなく、きっぱり“Salon1988(シャンパーニュです)”。こういう類の質問って、ソムリエだと聞かれることがよくあって、いつでもいくつか用意しています。そして、このやわらかい日差しのこのお昼、その中からシャンパーニュを選択してみました。別に今が最後ってわけじゃなくって、なんとなく、雰囲気で出てきたのです。
そうこうしていると、いつものメンバーのMさんとFさん、そして、もう一人のゲスト三澤彩奈さん登場。彼女は、勝沼の中央葡萄酒のワイン・メーカー(醸造家)。中央葡萄酒といえば、“Grace”という銘柄で有名です。シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワールなどの国際品種はもちろんのこと、地元の品種‘甲州’や‘甲斐ノワール’などでも海外で高く評価さています。その彼女は、ハンター・ヴァレー、スワン・ヴァレーなどを訪問して、バロッサ・ヴァレーに行く前に、この会に飛び入り参加。忙しい中、酔っ払いのお相手です。ご苦労さまぁ。
さて、今回のテーマ。子供の日にちなんで、 “大人が食べるお子様ランチ”。
そしてワインは、デニスさん個人のコレクションの中から4本持ってきてくれたのです。いつもと趣が違いますよ。
まずはシャルドネ。共に1998年のワインです。
左からScotchmans Hill Chardonnay 1998。VicのGeelongといえばAFL好きならCatsのところねって返ってきそうですね。そう、そのGeelongはワインの名産地。Chardonnayのほか、Pinot NoirやShirazでも人気が高いのです。口に入れてからの奥に向かって緩やかに伸びる果実と、11年経ったと思えないスムースな酸味、そしてみなぎるエネルギー感が素晴らしい。複雑な味わいだが、そのディテールは丁寧に表現されています。ヘーゼルナッツ、アーモンド、マンダリン、バター、ホワイト・トリュフ、ハニー、そしてイーストの香り群。Score: 18.5/20
Meadowbank Chardonnay 1998。TasのHobartに近いCambridgeからのワイン。凝縮感があり、とろみのある質感が、グラスの中で様変わりするであろうその琥珀の液体に探究心が湧いてきます。キャラメル、トフィー、レザーウッド・ハニー、ベイクド・アプリコット、ハニーデュウ・メロンの甘く太い香りはどこかカリフォルニアのシャルドネを思い起こさせます。しかし、そのしっかりとしたミネラル、酸味が骨格にあるので、ぶれずに安定したところがやっぱりTasのシャルドネだなぁ。余韻は非常に長い。Score: 19//20
そして、1983年のワイン。Mさんはまだ生まれてなかったようです(本人曰く!?)
The Rothbury Estate Hunter Valley Brokenback Vineyard Semillon 1983。以前勤めていたClaude’sでは80年代のHunter VllaeyのSemillonをテイスティングする機会が多かったのですが、今のレストランに移ってからは残念ながらほとんどありません。ブラッシュ・アップとしてのいい機会を頂きました。ありがとう、デニス。さて、テイスティングです。非常にきめが細かい、上品な味わいです。26年という年月を経たというのに、この清涼感。口に含んだときから、素直な果実味と酸味、そしてほのかに感じるスパイスにまったく凹凸感がなく実にシルキーで、心地よい余韻へと導いてくれるのです。シトラス、カファー・ライム、フィグ・リーフ、山椒、ゆず胡椒、夏みかん、八朔の香り。おそらくデニスさんは、このワインも“人生最後のワイン”のリストに加えたのではないだろうか? Score: 19.5/20
次はシラーズです。Lindemans Hunter River Steven Hermitage 1987。このHunter ValleyのShirazは典型的なAged Hunter Shirazです。私のファースト・インプレッションは、ダスティー&ザクロ。アメリカン・オークに18ヶ月樽熟成されたこのワインを22年後に味わってみたら・・・、鉄分を含んだプラム、セミ・ドライ・トマト、ブラック・ペッパー、アッサム・ティー・リーフ、砕いたチョコ・ブロック、そして土の香りがグラスの中に詰まっています。エレガントというよりはちょっぴり田舎臭さがあり、親しみやすい味わいかなぁ。シラーズの明確でスムースなタンニン、そして調和の取れたロング・フィニッシュはお見事。Score: 19/20
我らがシュワシュワ隊長Mさん持参のシャンパーニュ。Jacquart Brut Tradition NV。大きくふわっと広がるやわらかい果実の風味に、しっかりとしたミネラル感が心地よいタッチです。最初から最後まで、シトラス、ハニー、イースティーな味わいが、その密度と速度を一定に保ってフィニッシュを迎えます。高貴なイメージよりも親密な趣きで、デイリー・シャンパーニュとして最適じゃないかなぁ。Score: 16.5/20
そろそろお子様ランチ・タイム!!!
ワクワクするようなお子様ランチの完成です。素晴らしいおもてなし。だって、このプレートがみんなの前に登場しただけで、我々の顔をほころばせるのですから。旗がないのは残念だって? たこさん・ウィンナーあるし、許してくださいな。
右上から時計回りに、“エビフライ、串揚げ、マッシュルームのコロッケ”、“ハンバーグ”、“オムライス(RiseのR付き)”、“コンソメ、コールスローのサラダ、ナポリタン・スパゲティ”。
スープの中の野菜はこんなかわいい形に切られています。
たこさん・ウィンナーは、なんとなくメキシコの覆面レスラー風!?
そして、デザート。Hideさん自ら取り分けます。
キャラメル・フランと、バナナとハニーのアイスクリーム。カルーアってソースに入ってたんでしたっけ、Hideさん。
このデザート・ワインは三澤さんが提供してくれたワインです。WAのMargaret Riverにあるこのワイナリーで購入されたそうです。Gralyn Artizan NVはオレンジ・ブロッサム、ハニー、ドライド・アプリコット、レーズン、黄桃、ゴールデン・シロップ、黒砂糖の濃密な香りが誘惑してきます。凝縮感のある甘い果実味にフローラルなタッチがさりげないエキストラ・フレーバー。素晴らしくながい余韻に酸味がそのストラクチャーをしっかりと支えています。Score: 18/20
今回はデニスさん自身のコレクション・ワインとHideさんの楽しい料理。ふっと疲れた身体に幸せなひと時を与えてくれました。おかげで仕事に行くのも忘れそうになりましたけど。
デニスさんと三澤さん、今回一緒に食事できてホントよかったぁ。ありがとうございます。
そしていつものメンバーの方々、いつもいつもありがとう。
次回は、どんなテーマでいきましょうか? 次回の料理とワインの会の日は仕事の休み希望出そうっと。
ってことは、ワインの本数増やせるってこと???
オーストラリア最大規模「移民&留学エキスポ(Monthly Education & Migration Fair)」が、11月22日(金)にシドニー…
入学を考えている方やビザ相談・キャリア相談がしたい方向け、 今年最後のiae主催のオーストラリア最大規模エキスポが開催です…