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7th June, 2009 @ Rod Raver Arena
最強のレスリング・エンターテイメント集団がメルボルンへやってきた!!
TVでおなじみの人気レスラーが登場する黄金カードのラッシュに会場のロッド・レーバー・アリーナ(Rod Raver Arena)はヒートアップしっぱなし。ましてや年に1、2回のオーストラリア・ツアーとなれば、レッスルマニアならずとも必見のイベントだ。
WWEには’Smack Down’、’ECW’、’Divas’などのカテゴリーがあるのだが、その中で今回メルボルンに来たのは’RAW’。そしてそのカテゴリーに所属するレ スラーの中でも一番人気を誇るのが“Triple H”だ。彼が登場するや否や、男の子たちが尊敬の意味を込めて、崇拝のポーズを繰り返す姿が見かけられる。それだけでなく女性ファンも黄色い声を上げ、も ちろん男性も腹の底から声を上げる。
“秒殺”を前面に押し出し、90年代半ばから登場、一気にメジャーなステータスを獲得したPRIDEや UFCなど、いわゆる総合格闘技とはまったく違い、涙と笑いと感動をレスラーと観客が一体となり作り上げてゆく格闘エンタテイメントが、ショービジネスの 盛んなアメリカやヨーロッパでも、観る者の心を掴んで離さないのは、単純そうだけど実は味があり、深い魅力があるからではないだろうか?
WWEはいわゆるアメリカン・プロレスで、ツアーごとや試合ごとに専門の脚本家が書いた筋書きが用意されている。典型的なベビーフェイス(善玉)と見る からにヒール(悪玉)というキャラクターに分かれ、対戦するのが見所。ベビーフェイスは観客の大きな声援を受け、ヒールはブーングを浴びる。このステレオ タイプともいえる「わかりやすさ」が子供や女性、アメプロ初観戦の人たちにも伝わりやすく、単純にノッていけるツボではないだろうか。
ただ、流れとしては大河ドラマのように数年にわたっての因縁対決やどんでん返しが用意されており、コアなファンになると、その戦いの変遷を語りながら試 合を味わうのがたまらないそうだ。例えば、ベビーフェイスだったレスラーが味方陣を裏切り、ヒールに転向したり、ヒールだった選手が改心(?)し、ベビー フェイスの仲間入りを宣言したりするのも、ドラマ性を掻き立て、観る者の興奮や感情移入を煽るのだろう。
ひとつ言えることは、総合格闘技も真剣勝負ならば、プロレスも真剣勝負。筋書きがあるからと言って、レスラー達は手を抜かない。鍛え上げられた肉体と熟 達した技の応酬は本気で完成された芸術品。リングの上での怪我や予定外の結末(勝つ予定のレスラーが失神したり、ふいに放ったキックが溝に入ったり…)も ある。そんな状況の中で自分のキャラクターを演じ、超満員の観客を楽しませてくれるのだから一流のプロフェッショナルであり、文字通りリングの上は命が け。その証拠に、この日の会場を埋めた観客数は過去のWWE・メルボルンツアーで新記録を樹立。
声を枯らしながら全試合を応援し、帰路につく子供連れのお父さんたちの目までもがキラキラしていたのが印象的な夜だった…。
●WWE
URL: http://www.wwe.com/
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