at the University of Melbourne
いやいや、これは映画の世界だけの話ではない。メルボルン大学のResidential Collegeは、まさに「ハリー・ポッター」の現代版なのである。
日本の大学の寮というと、古くて安いイメージだが、ここの寮は違う。1年につき1万5千ドル(日本円にして120万円)以上もかかり、入寮するためにはインタビューなど厳正な選考があるのだ。こうして選ばれた生徒たちは、寮でどのような生活をしているのだろうか。
ハリー・ポッターの中でも、生徒たちはホグワーツに属している意識より、自分の住む寮に属しているという意識の方が強い。そのように、メルボルン大学のResidential Collegesでも、寮への帰属意識を重要視しているのである。大学が始まるSemester 1の最初の週には、新入生歓迎のため寮をあげて様々な行事が毎日のように催される。また、週2回は正装した上に指定のガウンを羽織ってディナーを食べる「High Table」に全員参加しなければいけない。Ballと呼ばれる盛大なパーティーがあったり、寮のメンバーで劇をやったりと、学生生活をエンジョイできる環境なのである。
寮内には日本の生徒会のような組織もあり、総会も開かれる。上級生たちは「シニア」と呼ばれ、下級生から慕われる存在である。行事などに積極的に参加することでポイントを獲得し、次の年はそのポイントの得点により、良い部屋がもらえる制度になっている。
寮生でない限り寮での生活を垣間見ることはできないが、寮を見ることはできるのだ。「いったい寮を見たって何が面白い」と思うかもしれないが、Residential Collegesはそれぞれ建物に特徴があり、寮生活をしたいと思わずにはいられない。
寮が立ち並ぶ、エリザベス・ストリート(Elizabeth Street)からスワンストン・ストリート(Swanston Street)に向かって、カレッジ・クレセント(College Crescent)を歩いてみた。
全部で8つの寮を見ることができる。
その中でも注目なのが、Ormond Collegeである。Ormond Collegeは1881年に創設され、始めは20人もの生徒しかいなかったが、現在は300人以上もの学生が住んでいる大きな寮の1つとなった。その当時を髣髴とさせるのが、寮のメイン・ビルディングである。
メルボルン大学を見学の際には、是非とも寮へも足を運んでもらいたい。
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