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人面魚と呼ばれて・・・

 

 
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♦人面魚と呼ばれて・・・♦

子供は割と残酷なあだなをつけるものである。

私が小学校の低学年生だったころ、クラスのみんなのあだ名をつけて大笑いすることに専念していた子どもがいた。 ガキ大将の大野君である。

大野君はドラえもんで言うとジャイアン的な存在で、見た目はゴリラエモンに似ていたので、彼のあだ名はゴリジャイアンだったが、皆彼の事を恐れていたので陰でそう呼んでいた。

そんなゴリジャイアンは自分の事をタナにあげて、クラスの皆に無茶苦茶なあだなをつけては大笑いしていた。

彼がつけたあだ名の中でもひどかったのが、クラスの中でおとなしめの沼尻さんだった。

当時、沼尻さんは割とおとなしめの少女で、とても勉強の出来る女の子だった。 

しかしながら、お世辞にも美人とは言えないペッタンコな顔は、電気ナマズに似ていると

誰かが言い始め、その上いつも口をパクパクさせてひとり言を言っていたので、不幸にも彼女は人面魚というあだ名を授かった。

ちなみに人面魚とは、鯉のような魚の体をしていながらも、人間の顔がついてると言われる想像上の生き物である。

そんな馬鹿げた話なのに、当時日本中で”人面犬”とか”人面魚”などが流行っていて、近くの川で人面魚を目撃した!などというボケたじいさんなどが日本全国に出現し、しまいには人面魚は夜になると人に変身して、琵琶湖の木陰でおもちゃのちゃちゃちゃを歌うなどという者まで出てくる始末だった。

そんな沼尻さんは、小学校卒業後エリート中学校へ進学し、後にアメリカの高校に留学したという噂を聞いた。

アメリカには、”人面魚”などが無いことを祈るばかりだったが、時に子供とても残酷な発言や行動をすることがあるので、もしこのエッセイブログを読まれた方の中で、何か思い当たる節があったり、意地悪をしているお子さんをお持ちのご両親などがいらっしゃったら、これを機会に是非見直して頂ければなぁーと思う。

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