どうしても「もっと上」を望んでしまうのも親のサガかもしれない。
それは決して親となる人のせいとばかりはいえない。競争の厳しい世のなかを上手く渡っていこうと思えば、
人より強く、賢く、美しい、などの条件を備えていたほうが、人生をより有利に過ごしやすいからである。
ひいては幸せを作る土台となる生活環境を得やすくなる。
子供は親を選べないから、生れ落ちたその親の生活条件の下で、その親の遺伝子を受け継いで、
そこから自分の人生を切り拓いていかなくてはならない。だとしたら、親としては何とか自分の出来る範囲で、
少しでも自分の子が有利になるように育てようと望むのも、ある種自然な流れかもしれない。
つまり、教育熱心になるわけだ。
と信じており、特に「胎教」と呼べるようなことをしたことはない。
実際、妊娠中は体調や気分の変化もあったし、引越しも重なってストレスが多く、夫と喧嘩したこともあった。
9カ月の間、常に心穏やかでいることはそれこそ不可能に近い。
あれこれ赤ちゃんグッズを買い揃えたりしながら、心楽しく穏やかに過ごすことを心がけてはいた。
いわく、「赤ちゃんの‘英語の耳’を育てるためにお腹にいる今から英語の歌を聞かせましょう!」
という英語のCDから、クラシック音楽、声かけや本の読み聞かせなど。
ちなみに、取り立てて胎教をしなかった私の子供たちも‘胎教の効果’と呼ばれるような、
「心が穏やか」 「夜泣きやぐずることが少ない」 「理解が早い」というような性質を持って生まれてきてくれた。
それは「ゆっくりお風呂に入ったり好きな音楽を聴いたり」したからなのだろうか? そのくらい誰でもすることではないか?
私はお腹の子にわざわざモーツアルトを聴かせたり、絵本を読み聞かせたりはしていない。
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