オ−ストラリアの雄豚は一般に去勢されていないので、ものによっては独特な臭いがすることがあります。一般に傷むのが早いので、購入後はできるだけ早く食べるようにしましょう。また、豚肉は他の肉に比べて寄生虫がつきやすいので、必ず中まで加熱しましょう。最近は「SPF豚」(SPF豚協会による証明書付き)のように、特定の病原菌を持っていない豚が日本などでは販売されています。
(1)豚肉の栄養
必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質に富み、ヒレやモモ肉などの部位は牛肉や鶏肉より脂質が少ないです。ビタミンB1は、牛肉や鶏肉の5〜10倍近く含まれ、食品全体の中でもトップクラスと言えます。ビタミンB1は、“疲労回復のビタミン”と呼ばれており、糖質が分解されてエネルギーに転換されるのに不可欠な栄養素です。ニンニクやネギ、玉ねぎなどに多く含まれるアリシンと一緒に摂ると、体内への吸収率が高まります。
(2)部位と調理法
日本とオ−ストラリアのカットは多少違いますが、以下のように分類されます。
ロ−ス | Loin |
背中の中央部分の肉で、肉はきめが細かく、柔らかい。脂にも肉にも旨みのある 部位。ソテー、かつ、ロースト、しゃぶしゃぶ、に向く。 |
かたロース | Shoulder,
Pork neck |
肩に位置するロース。肉質はやや固め。筋が多いので、焼く前には脂身と赤身の間に
包丁を入れ、“筋きり”をしておくとよい。煮る、焼く、揚げると幅広く活用できる部位。 |
ヒレ | Fillet | 最もきめが細かくやわらかい部位。ソテー、かつ、ロースト適している。 |
バラ | Belly | 赤身と脂肪が層になっていることから、三枚肉とも呼ばれる。脂肪が多い分、角煮、
カレー、シチュー、焼き豚、酢豚、炒め物などに向く。 |
もも | Legs | うちもも、そともも、しんたまなどが含まれ、やわらかさにばらつきがある。豚挽き肉にも
利用されるが、ハムの原料にもなる部位。ロースト、焼き豚など、肉の旨みをダイレクト に感じる調理に向く。 |
すね | Shank | 色が濃く硬い部分。長く煮こむとやわらかくなる。煮こみ料理、ひき肉などに向く。
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管理栄養士、食育インストラクタ− 才川須美
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