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【絵本】 第10回 原書で読みたい絵本 (その3)

絵本に限らず、本の楽しみのひとつに自分のお気に入りの版を見つけることがあると思います。

全く同じ本でも初版にこだわる人もいるし、訳書ならば、翻訳者にこだわる人もいるかも知れません。

お気に入りの作者の本は、ぜひ単行本で揃えたい、と思うこともあれば、とりあえず文庫本が出てから

読んでもいいか、、、と作者や内容によって使い分けている方もいらっしゃると思います。

子ども向けの絵本の場合は、大型本(グループでの読み聞かせに最適)・厚紙仕様(乳幼児などの

予期せぬ破壊行動?!にも対応)・小型本(お出かけの時の携帯に便利)など、本の装丁が

変えられていて、用途別に使い分けができるようにもなっているものもありますね。

今回ご紹介する絵本の原話は北欧の昔話で、何人もの作家が再話をして世界中の出版社から

いろんな版が出されています。

日本では、

『三びきのやぎのがらがらどん』 福音館書店

マーシャ・ブランウン著 瀬田 貞二訳 

がお馴染みです。3匹の兄弟ヤギが怪物トロルの住む橋を勇気と知恵で渡りきるという物語。

もちろん、マーシャ・ブラウンの原書はこちらでも手に入りますが、私が個人的に気に入っている版は

『THE THREE BILLY GOATS GRUFF』

by Paul Galdone   Publisher: SANDPIPER

のものです。ポール・ガルドンの絵の方がマーシャ・ブラウンよりも格段に明るくて、何よりもコミカルな

表現なので、怖~いトロルも何だか愛嬌があります。

この話、瀬田さんの訳では「チョッキン、パチン、ストン。おはなしは おしまい。」で締めくくられていますが、

英語版の方は "So snip, snap, snout, This tale’s told out." になっています。

他にも橋をやぎ達が渡るシーンのヒヅメの音にも違いがあって、

日英の擬音語表現を比べる楽しみもあります。

お勧めの絵本、知りたい絵本、その他 なんでも ehon@live.com.au まで (直美)

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