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【子育て】 シドニー共育日記(第8回)生後~6ヶ月ごろまで(その4) 母乳主義(下)

母乳をはじめて母子ともに慣れてくると、授乳は母と子の暖かい絆を育む世にも幸福な時間になる。
赤ちゃんが自分の身体から出てくるお乳でどんどん大きく元気に育っていくのを見守るのは、母として無上のの喜びでもある。
こうして立派に「哺乳類」として子供を育てられる機能が自分に備わっていると知るのは本当に不思議な体験だ。
 
しかし、乳母にでもなれそうなほどお乳の出が良かった私はあまりにお乳の量が多くて非常に痛い目にもあった。
出産後2日目にはおっぱいは異常に膨れ上がって、まるでラグビーボールを半分に切って入れたようにパンパンになり、
鎖骨の下からすぐに胸がはじまっている感じで痛いのなんの。
まだ赤ちゃんが小さくてあまり飲めないのに、母親になると張り切った私の身体は勝手に大量の母乳を生産し始めてしまったらしい。
おかげで痛くて苦しくて夜も眠れず、看護婦さんからパナドールを処方され、キャベツの葉を胸にあてがわれた。
キャベツの葉?
いや、私も腫れた胸にキャベツの葉が効用があるとは思えず半信半疑だったのだが、
どうやらオーストラリアでは伝統的に行われる民間療法のようである。
けれどもこれが効いたのだ!キャベツの葉の何の成分が良いのかわからないのだが、
そのひんやりした感触と葉から染み出す成分のおかげで、
さっきまで苦しくてパンパンだった胸の痛みと熱が引きずっと楽になった。
どうしてキャベツがおっぱいの腫れに効くのか?知っている人がいたら教えてください。
 
さて、母乳のいいところは前回も書いたように栄養が人間の赤ちゃんにとって一番バランスよく配合されていること、

免疫力を高めること、そして母と子の絆を強めることなどがあるが、お出かけに便利なことも見逃せない。

日本と違って「1カ月は子供を外に出すな。出産後は安静にしていろ」などとこの国では言われないのをいいことに、
私も退院早々日本から来ていた母と共にあちこちに出かけた。
お出かけの際、母乳だとオムツ換えセット以外は殆ど荷物がないのは気楽である。

何せおっぱいはいつでもどこでもポータブルだし、ミルクの温度など気にせずとも

いつでも最適な温度で赤ちゃんのお腹を満たすことができる。

大きなショッピングセンターやデパートに行けば授乳室はあるし、
公園などでも胸を少しはだけてお乳をあげているお母さんはいくらでもいるので、恥ずかしいという気はしなかった。
着ているものや赤ちゃんのおくるみなどで上手く隠せば胸をさらけ出すことにはならないし、

暖かな陽だまりの中で赤ちゃんを抱き、おいしい空気と周囲の景色を楽しみながらゆったりと授乳するのは心地よかった。

 
母乳の難点をあげるとすれば、赤ちゃんの飲む量との「需給バランス」が崩れて胸が張って痛くなるときがあることと、

どんなに夜中に疲れていても、赤ちゃんがお腹が空いて泣いたらお母さんが母乳をあげるしかないこと、だろうか。

ミルクだとこの点、母がどうしても起きられないときは夜中に交代でパートナーがミルクを作って赤ちゃんに哺乳瓶で

飲ませることもできるわけだ。母乳大好きだった私の二人の子供たちは、どちらもミルクを受け付けてくれなかったため、

毎晩3,4時間ごとの授乳に疲れた私は赤ちゃんを胸に抱いたまま、母子ともにソファーで眠りこけてしまうこともしばしばだった。

(さかな)

 

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