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【子育て】 シドニー共育日記(第6回)生後~6ヶ月ごろまで(その2)― パートナーとの絆

前回お話したように、母と子の間には、生まれた瞬間に、いや、お腹にいるときから強い身体的・精神的絆が生じて、

切っても切れない親子関係が自然と出来上がる。

しかし中にはマタニティーブルーや出産後のうつ状態に陥る人もいて、このような絆が自然に出来ない不幸なケースも

あるのだが、自分の身体の状態を頭でコントロールしようとせず、自然にまかせてリラックスした気持ちを保てれば、

たいていの場合はいともたやすく愛情に満ちた幸せな関係が成立する。

一方、あなたのパートナーはどうだろうか。

これも人それぞれで杓子定規に語ることはできないのだが、あっという間にオムツの替え方からお風呂の入れ方まで体得して、

母以上に世話焼きになる人もいれば、いつまでたっても抱っこの仕方さえぎこちなくて、我が子をみてもおっかなびっくり、

むしろ火星人と遭遇したほうがマシといった顔つきで途方にくれている人もいる。

第一、母になったあなたに対してすら、以前と違ってすっかり母親の貫禄をつけた顔を見て、ちょっぴり寂しさを覚えているかもしれないのだ。

そういう彼を置き去りにして母親だけが赤ちゃんにかかりきりになってしまうと、後で後悔することになる。

出来るだけ早いうちに、「一緒に育てる」という感覚を彼にも持ってもらうよう、赤ちゃんを抱っこさせ、お風呂にいれてもらい、

オムツの換え方も伝授しよう。最初は危なっかしくて、ぎこちない大きな手で赤ちゃんを傷つけたらどうしようと、

あなたも彼も冷や冷やするのだが、すぐに慣れて上手に出来るようになる。

彼もたちまちこの小さくて頼りなくてグニャグニャした生き物に夢中になり、途方もない愛情と責任を覚えるようになるのだ。

このコラムは私の母親としての体験を元に書いており、父親からの視点が欠けているのでどうしても偏ってしまいがちだが、

絶対に父親の果たす役割は大きいと感じている。母一人では十分にまかない切れない部分が確実に存在し、

父親の存在が家族の中の人間関係とそれによる子供への影響にに大きく寄与していることは間違いない。

そんな大切な「父」であるあなたのパートナーに、初めからきちんと子育てに関わってもらい、子供の成長と変化を

良く理解してもらうのは大切なことだ。

もっとも生後3ヶ月ごろまでは、赤ちゃんは、「泣く」「おっぱいを飲む」「うんち・おしっこをする」「眠る」が活動のほとんどなので、

物理的な世話をすれば事足りるようだが、やはり母親とちがう誰かの大きな手で抱かれたときの感じ、

母親と違う誰かの低い声を聞きながら、少しずつ自分と他者、他者のうちでも母とそれ以外の誰かの存在を感じ取れるようになっていくはずだ。

こうして、母になったあなたと、父になった彼とは、これまでと違った役割をそれぞれ身につけて二人の関係も微妙に変化していく。

そして新たに加わった家族の一員である赤ちゃんと3人で少しずつ新たな人間関係を築き上げていく。

それが家族である。(さかな)

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