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プラスチック製品による健康リスクってあり?!

プラスチック製品は軽くて丈夫で安価。弁当箱や水筒、ラップ、哺乳瓶など、食用保存用や調理用と用途も様々。しかし、プラスチックを構成する成分には危険なものもある。そんなプラスチック製品に接触した飲食物を口にして、果たして大丈夫?!

まずは、プラスチック製品の種類を確認

プラスチック製品にはいくつかの種類がある。その種類を見分けるため、製品の底や側面にあるマークを確認しよう。これらはリサイクルごみを分別する際に使われるマークで、3つの矢印に囲まれた三角の中には、プラスチックの成分別に1から7までの番号が表示されている。これがプラスチックの種類を知る目安となり、番号によって安全・危険を判断することができる。

<プラスチック製品のリサイクル認別表示マーク>

 PETE:ポリエチレンテレフタレート/PETボトル

 HDPE:高密度ポリエチレン/不透明牛乳ボトル、乳白色レジ袋、弁当箱

 PVC・V:塩化ビニル/クリンラップ、調理用油容器

 LDPE:低密度ポリエチレン/透明レジ袋、ボトル、クリンラップ

 PP:ポリプロピレン/ストロー、哺乳瓶、ヨーグルト・カップ

 PS:ポリスチレン/発泡トレー、使い捨て容器、カップ麺容器

 その他色々(ポリカーボネート含む)/哺乳瓶、缶詰の内部ライニング、BPA-Free

避けたほうがよいプラスチック製品

PVC、V:塩化ビニル

塩化ビニル製クリンラップにはDEHA(アジピン酸ジエチルヘキシル)が混入、油脂性食品をレンジで加熱すると高温によりDEHAが食品に溶出。肝臓、脾臓、血液、末梢血管、指の組織や骨に影響を与え、発がん性の疑いがある。

PS:ポリスチレン

スチレンが溶出。中枢神経や肝臓障害、発がん性の疑いがある。

ポリカーボネート

プラスチック製品有害説で最も騒がれているタイプ。強力な洗剤や酸、高温な液体によりポリカーボネートからビスフェノールA(BPA)が食品・飲料水へ溶出。BPAとは1997年頃から環境ホルモンとして騒がれ始め、その後世界規模で研究を重ね、未だ安全性を確かめ続けている。2005年、日欧米でBPAは人の健康に影響はないとし、オーストラリアでも同じように発表された。しかし2008年4月、米国国家毒性プログラムにより「極めて低用量のBPA(人体無害とされる溶出試験規格数値の1/1000濃度)にて、乳幼児の神経や行動に影響を及ぼす懸念」と報告。これは更なる調査と研究が必要ではあるが、カナダでは乳幼児の健康を守る予防策として、速やかにBPAを含む哺乳瓶の輸入、販売を禁止した。また、日本でもBPA哺乳瓶の使用を控えるよう呼び掛けた。その後2008年9月、米厚生省による「BPAは子供の脳に悪影響?」、同年10月、英国の大学研究チームによる「BPAは心臓病にリンクする?」が公表。BPAが人体に与える影響について、今後もまだまだ再評価を繰り返す必要がある。

関連サイト

フード・スタンダーズ・オーストラリア・ニュージーランド

日本厚生労働省

安全とされるプラスチック製品

が安全とされている。

安全へのポイント

プラスチック製品に含まれる化学物質は主に高温加熱、長期使用で溶出し、食品へ移行する可能性がある。

電子レンジ使用の場合、特に油脂性食品への使用は化学物質が溶け出す場合もあるので注意。ガラスや陶器の容器を使用するのが安全。ラップ使用の場合は、ラップが食品に直接触れることを避ける。ちなみに、コールス・ブランドのラップには、「Do not allow contact with hot fatty food」と表示されている。

Microwave-safeのラベルは、電子レンジ使用により製品が溶けたり、割れたりしない、という意味で、化学物質が溶出しない、という意味ではないので注意。

プラスチックボトルに熱湯を注がない。また劣化したボトル内部の細かな傷から細菌が繁殖しやすいので衛生に注意。漂白剤などで洗浄するとプラスチック成分が溶出する恐れがあるため使用を避ける。

本来ペットボトルは一度使用限りのつもりで製造されているため、再使用は望ましくない。毎日持ち歩く水筒はステンレス製が無難。最近では特殊コーティングされたアルミ製の新型ボトルもあり、有害物質を発生しないというので人気。オーストラリアでも手に入ります。

ベビー用哺乳瓶や食器のプラスチック種類を確かめる。ポリカーボネート製の場合、熱湯は注がない、古い物は使わない。BPA-Freeやガラス製哺乳瓶が望ましい。

現在、一般的にプラスチック容器における化学物質による影響は人体を害するレベルではない、とされている。ただし、乳幼児に対しては有害の可能性があるとの報告もあり、再評価中、という感じだ。明確な判断を下すデーターがないため、国としても遠まわしな言い方でしか説明できないのだろう。また、環境保護団体などは厳しくプラスチック製品を非難するが、プラスチック産業協会のような業界団体は安全性を主張する。私たち消費者としては、自分の身は自分で守る予防策をとったほうが賢明なのかもしれない。こういったことが気になる人は、ガラスや陶器などの代替品を検討したほうがよさそうだ。

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