10月になり夏に向けて少しずつ暖かくなってきましたね。今後はバーベキューなど野外活動も盛んになってくるのではないでしょうか。楽しみですね!
そして毎年10月は、あるお客様が団体でシドニーにいらっしゃる月でもあります。
“Bogong Moth(ボゴンモス)”の大群です。
初めて名前を聞く方のために一言で言いますと、
蛾(ガ)の大群です。明らかに日本にいる蛾とは大きさも見た目も違い、シドニーでは早いときで9月下旬から現れ始めます。
個人的な話ですが、洗濯物を干す際に濡れたモスが床にボトッと落ちた時はかなりインパクトがありました。気づかない間に洗濯物に隠れていたのですね。(こんなことが何度もあります)
「怖い、気持ち悪い」と思われる方も多いでしょう。
しかしこのBogong Moth、実は暑さが大の苦手でCool Summerを求めて高い山々を何千キロも移動し、真夏の間は洞窟でひっそり過ごします。
名前の“Bogong” は「高原」や「高山」に由来するとも言われており、そう聞くと何だか神秘的に思えませんか?ただの“蛾”ではなさそうなので、もう少しだけ探ってみましょう。
ボゴンモスについて
■ 見た目は?
大きさは4センチから5センチ。色は薄茶色から黒色とさまざまで、背中に特有の矢印模様があります。
とにかくデカイ!日本の電柱に飛び回っている蛾と比べると、二周り大きく黒い、という印象です。
■ Bogong Mothの生態
ライフサイクルは卵→幼虫→繭→成虫の4段階。繭までは平地に生息していますが、成虫(蛾)になると夏の暑さを回避するため9月下旬頃より、QLD州および西部NSW州から南に向かって集団移動し始めます。
基本的には高山(Australian Alps)を経由しますが、途中で強風に流されたり、何らかの理由により進路変更をした際、シドニーなど大都市を通過していきます。
そして洞窟や岩の割れ目の間でひっそり真夏を過ごし、秋には生まれた場所にリターン。
QLD州やNSW州で、メスは2000個ともいわれる卵を産みます。
■ 生活スタイルは?
夜行性のため夜間に移動し、日中は暗闇を見つけて休んでいます。
移動中に大きな街に着いてしまうと、街頭などのライトを"太陽の光”と勘違いしてしまうため、夜間でも暗闇を探してとどまり、移動に困難をきたします。
■ 食べられる蛾!?
Bogong Mothは脂肪・たんぱく質が豊富であり、オーストラリア先住民の貴重な栄養源でした。
昨年シドニー・モーニング・ヘラルドの取材にてオーストラリアのシェフがBogong Mothを食材にする試みも話題になりました。
「バターを塗ったヘーゼルナッのようにカリカリで、ポップコーンのような風味」とコメントしています。
以外と知られていない蛾の正体。
シドニーで突然大発生すると思っている方も多いようですが、渡り鳥ならぬ渡り蛾でした。
昨年2007年10月は強風の影響により、例年より大量にシドニーに現れましたね。
今年はどれくらい姿を見せてくれるでしょう。強風にあおられなければ良いのですが,,,。
大量のモスがお部屋に入ってきて欲しくない方は、くれぐれも窓を開放しにしないようにしてください。
ちなみにモスが去ったあとは、ハエの出番です。
今回Bogong Mothを取り上げましたが、実はオーストラリアには多種類のモスが生息しており、
参考WEB