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1月6日は、昨年、シーシェパードの高速船「アディ・ギル号」が日本の調査捕鯨船「第2昭南丸」に衝突した日です。ずいぶんと大きな事件になりました。
それから1年、今度はウィキリークスで日本の捕鯨に対するオーストラリア政府の姿勢が暴露されました。
ご存知のようにオーストラリア政府は日本の調査捕鯨を止めさせるために国際司法裁判所に訴えています。ところがその裏で、クジラの捕獲数を削減することを条件に、日本の捕鯨を認めようとする妥協案を提示していたわけです。
オーストラリアはこれまでずっと捕鯨に反対し、世論も反捕鯨で、ホエールウォッチングが盛んな国です。浜辺に迷い込んだクジラやイルカを助けようとする国民性ですから、政府が捕鯨反対の裏で、妥協をしようとしていたことが明らかになり、ここぞとばかりに野党が追及しています。
さあ、ギラード首相、思わぬ問題の噴出に、どう対応するのでしょう。
ところでオーストラリアとクジラの関係は、日豪関係でもあります。記録されているオーストラリアと日本の最初の接触は、1831年にオーストラリアの捕鯨船が嵐にあって破損し、修理のために北海道に上陸したときだとされています。オーストラリアでは19世紀、捕鯨船の中継基地があり、活発に捕鯨活動を行っていました。日本に開国を迫ったペリー来航も、日本の港を開いて捕鯨船に補給するのが目的でした。
オーストラリアやアメリカなど、クジラの油(鯨油)が目的の捕鯨で、クジラの肉も食べていましたが、冷凍保存の技術がなく、食文化としては根付いていません。日本も鯨油を目的に南氷洋まで船団を派遣して捕鯨をしていました(戦争で中断しますが)。
戦後、日本の食糧不足を改善するため、大量なタンパク源としてのクジラが注目され、連合国(占領軍)が捕鯨を推進し、日本に南氷洋での捕鯨を許可しました。アメリカの提案にオーストラリアは反対したんですが、マッカーサーに押し切られてしまいます。
その後、クジラの減少と鯨油の需要が低下したことから、オーストラリアなど各国が捕鯨から撤退します。オーストラリアでは1978年、最後の捕鯨基地、西オーストラリア州アルバニーの基地が閉鎖されてオーストラリア捕鯨の幕が落とされます。
それでも日本は「調査捕鯨」という名目で捕鯨を続けていきますが、オーストラリアは反捕鯨の急先鋒として、環境保護・観光資源としてのクジラ保護(ホエールウォッチング)という道を歩んでいきます。その後は、賛成派、反対派が激しく応酬し合う「国際捕鯨問題」として議論が絶えません。
結論から言うと、私は、「クジラの肉を食ってなにが悪い!」という意見です。絶滅種だからダメだと言いますが、じゃあ、増えているなら食ってもいいのか? オーストラリア人がカンガルーを食べるのと同じ論理です。
でもきっと反捕鯨の人たちはダメだと言うでしょうね。なかにはクジラは知的生物だからダメ!という人もいます。それじゃ、知能が低ければ食べていいんだな、となります。知能の劣る私は真っ先に食べられそうです。
とにかくなぜかクジラ問題はお互い感情的になる性格を持っていて、ついにはジャパン・バッシングの様相さえ呈しています。
国のシンボルであるカンガルーやエミューを食ってよくて、なんでクジラがダメなんだ、世界には犬を食う食文化のある国があるが、なぜクジラはダメなんだ、という人間の生存における自然との関係をよ〜く考えてクジラ問題を議論しないとダメなのでは?
子どもの頃から美味しいクジラのお肉にお世話になった私としては、声を大にして叫びたい。クジラが食いたい!と。
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