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クリスマスムードが漂う12月下旬、ゴールドコーストにあるゴルフ場で黙々とボールを打ち続ける少年の姿があった──加賀崎航太君、13歳。5年前に始めて以来、生活はゴルフ一色。寝言もゴルフのことになってしまうほどの打ち込み様に家族も心配してしまうほどだ。類まれな才能を活かした精巧なプレーで周囲を驚かせ、すでに数々のタイトルに輝いていることから、愛称は憧れのタイガー・ウッズにちなんで「リトル・タイガー」。そのウッズからは「君の持つ精神力の強さはPGA(米国プロゴルフ協会)に上がってくるには十分。はやく上がってこい」と太鼓判を押されている。素晴らしいのはゴルフだけでない。学校での成績もオールAで2学年飛び級を許可され、その姿は小学校の道徳用教科書で紹介されるなど、まさに「文武両道」の模範生だ。日豪を始め世界中から注目を浴びる天才ゴルフ少年に話を伺った。 取材・文・写真:飯田裕子 |
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ゴルフを始めたきっかけ、いつ始めたのかを教えてください。
8歳の誕生日の時に、お父さんにニュージーランドのドライビングレンジに連れて行ってもらって、お父さんが打っているのを見ていて「ちょっと面白そうだな」と思って、僕も打ちたくなったんです。最初は右で振ってみたんですけど全然振れなかったので、左でやりました。僕書くのも全部左利きなんですけど、ゴルフのことは全然しらなくて右も左もまったく分からなかった。たまたまそのレンジに左利き用のクラブがあり、打ってみたら球に当たって、すごく楽しかったんです。たまたまそこのプロショップに左利き用のジュニアセットがあったんです。それで誕生日プレゼントとして買ってもらって、それで打っていたら、後ろで数人のプロ選手が僕を見ていて、「いつからゴルフ始めたの?」と聞いてきたんです。「今日初めてです」と言ったら、「嘘だろう」って言われました。それから楽しく(ゴルフを)やってきました。
一日のスケジュールを教えてください。
朝は午前4時か4時半に起きて、ちょっとストレッチをして、ランニングを8キロぐらいします。ショートゲームをすることもあります。午前7時ぐらいに終わって、家に戻り、シャワー入ってから学校に行きます。学校は午後3時に終わって、そのまますぐにゴルフ場に来て、ショットの練習をしたりラウンドもします。練習は暗くなるまでやります。それで家に戻って寝ます。
朝4時半から練習ということですが、
眠たくて行きたくないなと思う日などありませんか?
それはありません。一度もないです。
練習が忙しいとあまりお友達と遊ぶ時間が持てない
という点についてはどのように感じますか?
友達と遊びたいとかは、あまり思わないです。
毎日の基本的な練習メニューを教えてください。
今は、けがをしたくないので、体力をつけるためにランニングをたくさんしています。ゴルフは自分との闘いであきらめてはいけないので、ランニングではそういう点でいい勉強になります。「もういやだ」と思っても、そこであきらめないで最後までできるかというのも一つの勉強だと思っています。走っている最中に頭の中でゴルフのことを整理できます。お父さんは(僕があまりにたくさん走るので)「もう走らなくていいよ」などと言って、僕の足を引っ張っていますよ(笑)。
一番得意なプレーは?逆に苦手としているプレーは何でしょうか?
またご自身で特に気をつけていることとかありますか?
ショートゲームは楽しいので一番得意です。僕はドライバーで距離を飛ばさないゴルファーで、飛ばすのは好きじゃない。コントロールしてそれで乗らなかったらショートゲームに持っていく感じです。苦手なものはないです。ゴルフって苦手なものがあってはいけないんです。嫌いなクラブを作ってしまったら、それを持つ時に「嫌だな」と思ってしまってダメになってしまうので、嫌いなクラブはありません。身長とか必要なので、自分でいろいろ調べてプロテインなども飲むようにしています。身長がないと米国(への挑戦)がちょっと難しくなってきてしまうので。腕ではなく身長で飛ばす、つまり、飛ばそうと思って振るのではなく、身長で自然に飛ばしてコントロールで攻めていくスタイルにしたいです。
オフの日はどのようにして過ごしていますか?
オフの日はありません。すごくゴルフをやりたいんですけども、雷とか鳴っていて危ない時とかは家の中でやっています。よっぽどのことがない限りオフはないです。一日休んじゃうと、感覚がくるってしまう気がするので…。
勉強の方でもトップクラスと伺っていますが、
どのように勉強とゴルフを両立させているのですか?
お父さんとは「学校の成績が下がったらゴルフは辞める」という約束を結んでいます。これもあるし、ゴルフを1分でも1秒でも多くやりたいので、勉強は学校で済ませてしまっています。
ワーキングホリデービザでオーストラリアに来た方で、セカンドまたはサードビザの取得を考える方は多いです。 ですが、過…