同世代の若者たちにメッセージを
ぼくはお金がなくて食べられない状態がずっと続いて、1カ月の食費が千円という状態があったんです。どうしたかというと、料理の本を買ってきて、新潟ですからお米だけはあるんです。買わなくてもご飯だけはあるので、料理の本を見ながらご飯を食べていました。それで結構、想像力が鍛えられました。
そういうハングリー精神はいまの若い人たちにはないでしょう。
ないですかね? NAMARAから離れたのも、ないからあきらめるっていうのじゃなく、なければ自分で作ればいいということだったんです。「いまのシドニー退屈だよね」って言うなら、自分で何かはじめればいいんです。誰かがするのを待つんじゃなくて。自分でやるということでこれまで生きてきました。何もかもやるということではなくて、何かひとつでも、自分でできることをやる、それが大事じゃないかと思います。自分自身に言いきかせているんですが…。
それと、オーストラリア人っていいかげんじゃないですか。“良い加減”ですね。それは活かせるなと思います。日本の固い文化にそのエッセンスを活かせばちょうど良くなるんじゃないかなと思います。そこで「自分に厳しく、自分に甘く」って言ってます。他人に厳しく、自分に甘くじゃなくて、自分に厳しいぶん自分に甘く生きています。オージーの生活を知って「なんだ、自分に甘くていいじゃん」って思ったんです。「No worry, No problem」ってすごいなと思いますよ。(笑)
人生変わってしまった?
そうですね。こっちでやった方が売れるんじゃないの?って思います(笑)でも、こっちに来て、日本てすごいなとも思いました。すべてにおいてレベルが高いし。食にしても、サービスにしてもすごいです。でも、こだわりすぎ、やりすぎの部分もあるし、そこの中間を出せたらいいなと思います。
しっかり充電して、バージョンアップした姿で、これからもNAMARAで活躍してください。
でも、またすぐ日本を飛び出したりして。
それもありかもしれないですね。もう1年、ワーキングホリデーのチャンスもあるし…。(笑)
この動画は、2023年11月18日付「THE TIMES」(デイビッド・ウォルシュ著)に掲載された、脳震盪によるCTE(慢性外傷性脳症)に…