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シドニー発豪ドル見通し(2011年2月21日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場情報を発信している。為替歴28年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

2/21(月)米国プレジデンツデー休場、カナダ家族の日休場、独2月IFO景況指数、ドラギ・イタリア中銀総裁講演

22(火)カナダ12月小売売上高、米2月消費者信頼感指数、2月リッチモンド連銀製造業指数、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

23(水)英中銀議事録、米1月中古住宅販売件数、ウエーバー独連銀総裁講演、ホーニグ・カンザスシティー連銀総裁講演、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演

24(木)独3月GFK消費者信頼感調査、独Q4GDP確報値、米1月新築住宅販売件数、米1月耐久財受注、米新規失業保険申請件数、プラード・セントルイス連銀総裁講演、ショイブレ独財務相講演

25(金)日本1月CPI、英Q4GDP改定値、米Q4個人消費、2月ミシガン大学消費者信頼感指数、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演、イエレンFRB副議長講演、コンスタンシオECB副総裁講演、アイルランド総選挙

 

マーケットの焦点

  毎度のことながら先週もイベント盛りだくさんでした。中東・アフリカでの反政府運動の拡大激化、主要国の株高、2010年GDPで日本が中国に抜かれて第三位になったことが判明、イラン艦隊のスエズ運河航行許可を巡るイスラエルの反発、民主党内部でのゴタゴタ、中国の利上げ(預金準備率を50bp引き上げ)、パリG20 等々。

係る中先週顕著であった市場の動きは”米ドルの反落”でした。特にドル円は84円のオプションバリア(オプションのノックアウトプライス防衛のためのドル売りオーダー)の存在や、本邦輸出筋のドル売り、例年2月に多い外債の償還・利払いに絡む円買い需要、更には3月に向けたリパトリ(資金還流)などの動きで結局84円台に達せずに反落。また欧州情勢の目先の沈静化や商品相場の高騰や世界的な株高を背景としたカナダドルや豪ドルなどの資源通貨の上昇も、米ドル押し下げ要因となりました。今週も中東情勢など地政学的懸念や米金利動向が引き続き市場の焦点でしょう。特に拡大する中東・アフリカ諸国での民主運動に中国が神経を尖らせている点や、3月の米韓合同演習を前に北朝鮮が再び核実験を計画しているとの情報もあります。また米ドル金利関連では先週も見られたように中東情勢の悪化が米債買戻しを誘い、結果としての米金利低下が米ドル売りに繋がる可能性もあります。更に22日~24日に予定される米債入札(オークション)の結果も米ドル金利を左右します。更に欧州関連では25日のアイルランド総選挙が注目されます。与党の支持率が低下しており、最大野党はアイルランドへの国際金融支援の条件見直しを主張しており、選挙結果いかんでは再び財政再建問題が浮上することが考えられます。ところで週末のパリG20では”世界的な超低金利から投機マネーの商品相場への流入の影響”と"不均衡是正のために参考指針を策定する”ことが確認されましたが、やはりというか中国は為替指針に反対しており、まだ合意は簡単ではないようです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9945-1.0156 AUDYEN 83.36-84.44

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0000-1.0200 AUDYEN 83.00-85.00

  先週豪ドルは上伸しました。主要豪州国内経済指標の発表はありませんでしたが、やはり上記のような米ドルの主要通貨に対する反落が"米ドルの受け皿”としての豪ドルの地位を高めました。また発表されたRBA議事録(2月分)と木曜日のロウRBA総裁補の講演が、いづれも一定のタカ派的内容を含んでいたこと(要約すると洪水の影響は一時的で中期的には堅調な豪州経済予想)と世界的な食品・エネルギー価格の上昇が資源通貨豪ドルをサポートしました。さて、今週も豪州国内では大した指標もなく、引き続き先週同様に米国をはじめとした主要国の経済指標や、中東情勢などが主な豪ドル変動要因となります。G20でも商品市場への投機マネーの流入が問題視されましたが、目先は商品相場の堅調が資源通貨豪ドルをサポートする展開が予想されます。ただ先週は反落した米ドルですが、基本的には米景気や米雇用情勢の改善期待が年初来の米金利上昇の背景ですから、この”大きなうねり”は無視できません。また今後商品相場の反落が起きるとすれば、やはり中国のインフレ懸念、更なる金融引き締め懸念が高まることが原因であろうと予測されます。したがって豪ドルは”足元堅調だがリスク要因は常に気に留める必要あり”という感じでしょうか。

また豪ドルはユーロの上下動にある程度連動していますから、25日のアイルランド総選挙の結果は注視したいところです。

 

つボヤキコーナー

いやあ、毎日新聞の世論調査では菅内閣支持率が1月より10ポイント下がって民主党政権発足以来はじめて2割を切って19%となったそうです。そして早期解散を望む声が60%だとか?

ただしかし、この現政権へ支持低下は何も日本だけではないですよね。民衆運動で倒されたチュニジアやエジプトのみならず、拡大を見せる中東・アフリカ諸国はその最たるもの。米国のオバマさんだって、支持率は半分を切っています。また英国の若き指導者キャメロン首相も当選時の勢いは陰を潜めていますし、ちょっと関係ないですが、イタリアのベルルスコーニ首相などXX疑惑で起訴されるようですね?また熱狂的に迎えられた当地豪州のギラード女史の人気も洪水に押し流されるように低迷しています。

こう考えると30年以上も大統領に君臨したムバラク大統領など良い悪いは別にして"スゴイ!”の一言ですわ、、、

ただ日本が突出している歴代首相の数は、支持率が低下するとすぐに”首のすげ替え”で難局打開を図る日本政治・国民性を表していますね。こんな国は他にはないですよね。まあ流行に敏感な日本人の特徴か?そして首相自身も”自分はもはや流行遅れだ”と思ってしまうのか?

”誰がやってもたいして変わらない”という大人の判断があるなら、選ぶ方も選ばれる方もそのエネルギーを他に使った方がよいと思うのですが、、、、、

どうも私には”劇場型政治”にか見えません。

でもやはり劇場型政治ショーが好きなのかなあ?

 

それでは 、Have a nice DAY!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

最近のサンプルを添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

 

 

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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