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羊をめぐる卓見

羊の国のニュージーランドでの地震には驚きましたね。もう1週間が過ぎましたが、未だに身元の判明が進まず、不明者も多くいるようです。自然の変化には動物たちがいち早く反応し、人間に知らせてくれることがありますが、いかんせん羊の国ですから、あの愚かな羊にそんな智恵もなく、地震が起きてもただただ右往左往していたようです。

羊の国と言えばオーストラリアだって負けず劣らず羊がたくさんいる国です。産業として確固たる地位を築き、オーストラリアは世界最大の羊毛生産国になりました。羊の数だって、約8,000万頭と、牛や豚より断然多いんです。(もっとも年々減少はしていますが)オーストラリアン・メリノ種は世界最高級の羊毛として知られ、日本のウールバイヤーが最高値を付けているのがニュースにもなっていました。

この羊、聖書にも登場するし、古代メソポタミアの時代から家畜化されていたというのですから、私たち人間とそれはそれは深〜い関係にあるんです。童謡にも歌われていますし、羊には愛らしく親しみやすいイメージがありますね。

でもその反面、羊って弱くて、すぐ群れをなしてあっちに行ったり、こっちに来たり、自分の意志なんかこれっぽちもなくて、いつでもウロウロ、ソワソワしている印象があります。バッカじゃないの! なんて思ってしまうでしょ。

もともと羊は群れたがる性質をもっていて、群れから引き離されるとストレスを感じるみたい。それに、先導者に従う傾向が強いので、最初に動いたのが仲間の羊でも、すぐついて行ってしまうんだとか。この性質は家畜化するのに好都合だったんですって。

群れをなす羊は愚かものの代名詞としても使われてきましたね。ところが、そんな先入観を覆す調査結果が発表されたんです。ビックリです。

なにやらケンブリッジ大学のお偉い学者先生によると、羊はけっこうサル並みの知能を持っているんですって。猿と同等の脳力を持ち、場合によっては人間並みなんだとか…。

羊は自分の周りの環境を認識する知能を持っていて、さらに、これからすることを計画することまでできるそうです。羊も侮れないですよ。普段は牧羊犬に追われている姿を見せていますが、なかなかどうして、あれで結構、犬と遊んでいたりして…。(そんな風にはけして見えませんが)

脳神経学者に言わせると、羊は群れている時は非常に愚かに映るけれど、いくつかテストをしてみると、あらビックリ! サル並みの反応を示したというのです。間違いやたまたま偶然ということがあるので、ルールを変えて何度もテストを繰り返しても、ちゃんと反応するということで、まさにサルや人間のような反応で、ラットよりも賢いことに驚いたそうです。

それに名前を呼ぶと反応するんですって。ホントかな? そんなに賢いなら、なんでオーストラリア郊外の牧場ではあんなに情けない動きしかできないの? たまには牧羊犬を騙すくらいやってごらんよって思うんですが…。

実験をした学者先生が驚くほど、知能を見せたというのですから、ホントなのかもしれませんが、そのテスト、黄色と青色のバケツを二つ用意して、黄色のバケツに餌を入れ、青色のバケツには何も入れないで羊の前に出しておきます。これを何度か繰り返して、羊に餌は黄色のバケツに入っているということを認識させます。このテストを7回繰り返して羊が間違えずに黄色のバケツを目指したということですが、これはサルや人間と同じ回数だったそうです。次に、餌を青色のバケツに入れ替えてテストをしたところ、サルやラットと同じような回数でちゃんと餌の入ったバケツを認識するので、羊にはある程度の知能があるんだとなったわけです。

う〜ん、どうなんでしょうねこのテスト。この程度のテストで知能がはかれるものなのかしら?

それはさておき、いまから15年前に、世界で初めて哺乳類の体細胞クローンの羊、ドリーが誕生しました。羊の知能と羊のクローン化と関係があるのかないのか分かりませんが、別の大学では、羊のIQは豚よりは低いけど牛と同じくらいだという研究報告がありますし、羊は人間や仲間の羊の顔を覚えて記憶することができ、顔の表情から心理状態を判断することもできるそうです。まあ、ある程度の知能は持っているのかもしれませんね(でも、豚以下というのは気になりますが…)。

そんな“羊をめぐる卓見”ですが、あなたはどう思われますか?

クローン羊のドリー

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