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チャンスをつかみ、チャンスを活かし、チャンスを最大化する

 

今日はおひなさん、ひな祭りですね。女の子のお祝いの日ですが、お祝いする必要もないくらい、いまの女子は強くて頼りがいのある人が多く、男子が草食系になっている分、女子は一人でも海外に出て行くし、国際結婚組の日本女子はオーストラリアにどんどん増えています。

 

これもひとえにグローバル化の恩恵でしょうか。というわけで、今日の話題は、グローバル化のお話。

 

グローバル化の波に乗り遅れまいとして、日本の企業が新興国に進出し、生産拠点を作っています。多くの企業が中国に進出しているのが良い例ですね。

 

雇用の確保と安い人件費が魅力的で、こうすることで販売価格を抑えられ、あるいは利益を維持できるということなのですが、その中国も沿海部での賃金上昇が問題となってきて、以前のようには魅力的な生産拠点になっていないようです。すでに中国内陸部に移転したり、他国に移転したりしている企業がでてきています。

 

日本国内の雇用状況や経済状況を反映して、海外進出せざるを得ない企業の立場は苦しいものがありますが、それでも単に安く済むからということではなく、海外の地でそのビジネス自体が成り立てば、外貨獲得にも、企業の生き残りにもよいのですが、なかなかそういう展開は見られません。

 

日本政府自身も日本の高い技術をもって、海外に積極的に売り込みに出ようと、新幹線原子力発電などを新興国に売り込んでいます。昨年末にはベトナムに原子力発電を売り込んで日本企業が受注することになりました。また、以前は中国に新幹線を売り込んだりしました。

 

ただ、この新幹線に関しては、中国が日本の新幹線技術を元に、独自に中国製新幹線をブラジルに売り込むことになり、技術の海外移転の問題を改めて浮き彫りにしました。「何でもすぐコピーして同じような製品を安い価格で売っている」という中国批判が巻き起こりましたね。(まあ、昔、米国製品をコピーしていた日本も同じことをしていましたが

 

日本が世界に誇る技術力を、いまこそ世界に売り込んでいかないと、いまの日本の経済停滞を脱する道はない、といいます。ところが、技術の海外移転の問題もありますが、それよりもなりよりも、日本の技術の評価は高いが、ビジネスになっていない現状があるんです。

 

あるシンクタンクの人が話していたのですが、非常に興味深い話しでした。

 

日本の高い技術を新興国の政府に対して売り込み、共同プロジェクトを行なって、省エネルギー、高効率の発電所などの技術協力をしていくというのは確かに素晴らしいのですが、実際には、受注契約への打ち合わせで、なかなか先に進まないようです。

 

どうしてかというと、日本はコンサルテーション力が足りないと言われています。例えば淡水化プラントを売り込んでも、その淡水化の技術をアピールするプレゼン力は高いのだけれど、では具体的にその国のどこに淡水化プラントを作ればいいのか、そこまでのことは何も教えてくれない、その国を良く知ったうえでの提案が足りないという事例があったそうです。

 

また、日本は本気度が足りないとも言われているそうです。どういうことかというと、絶対に損しないという観点から契約書が作られていない、また、ひとつのチャンスで利益を最大化するという観点から契約されていないというんです。

 

例えば韓国は、ある国から道路建設事業を受注するとします。そうすると建設工事のための労働者用の住宅も建設するんです。そして、その住宅に設置する家電類をすべて韓国製でまかなうんです。こうすることで、道路建設から、住宅建設、さらに家電販売を通じて韓国のライフスタイルまで輸出しているというんです。

 

確かに、単に技術を売ったり、道路や橋を造ったりだけでは、それで終わりですね。その事業に付随してさまざまなものを一緒に売り込むどん欲さ、ビジネスチャンスを最大に活かす努力が、日本には足りないようです。

 

どうして日本には本気度が足りないのかというと、日本にはまだ内需があるからではないかと指摘されていましたが、海外に打って出るしかないという状況に追い込まれない限り、コンサルテーション力を磨いたり、本気度を高めることはできないのでしょうか。

 

いまの日本はもうそんな状況になってきているような気もしますが。まだまだ豊かな環境にあって、国の借金は莫大だけれど、個人資産はそこそこある人がまだ多く、もちろん新興国から見たら結構な暮らしをしている日本は、他人事のような感覚でいるのかもしれません。

 

そこまで迫る危機を実感することになるのか、それともその前に危機回避の方策を立てることができるのか、グローバル化の波が押し寄せてきています。

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