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言葉に惑わされず、元気に明日の一歩を

みなさん、まだまだ日本の被災状況に、毎日耳目を集中していることと思います。冬の時期の被災地での避難生活に思いを馳せると、本当につらくなります。できるだけ早い復興を願うばかりです。

オーストラリアの新聞論調は、当初の日本の被害の大きさを報じ、被災者救出への動きを伝えるものから、原子力発電所の破損被害から発生している放射線に対してのものに変わってきています。外国のメディアはほとんど核爆発の懸念を伝えるような論調です。

一方、日本では、原発の被害もそうですが、それよりも被災者の窮状や、被災地のインフラ復旧の報道がメインになっています。

自分の置かれた立場で、事態や状況の受け取り方は大きく異なります。残念ながらネット上では、数多くの流言飛語や、この事態に便乗したチェーンメールが流されているようです。

石原東京都知事の「天罰発言」もそのひとつでしょう。今回の災害について、天罰だと言ってしまいました。新聞報道によると、「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」と発言したとあります。

まあ、これまでも数々の差別発言を繰り返してきた都知事ですから、さもありなんというところですが、危機的状況にはさまざまな言葉が飛び交います。

善意の行為も売名行為にとらえられたり、さらに大きな災害が起こるなどと危機を煽ったり、情報の混乱に乗じた悪質なデマが流されたりと、混乱に拍車をかけるかのようです。

特にインターネット時代の宿命でしょうか、ネットによる根拠のない情報の氾濫には心して対応したいものです。うかつに信じたために、そのような不確かな情報を自分がさらに広げてしまう可能性が高くなっています。

いったん立ち止まり、冷静に情報に向き合い、自分自身で納得のいく理解をしてから、他の人に伝えましょう。そんな姿勢がいまもっとも求められているような気がします。

さて、海外に身を置くものとしては、すぐ飛んでいって支援活動のボランティアに参加するということができず、まず義援金を送ろうというのが、すぐできる支援のようです。

シドニーでも多くの人が、何かをしたいという気持ちで立ち上がり、すでに募金活動に動いたり、チャリティーイベントを企画しています。

この多くの人の善意がひとつにまとまり、被災地域の復興の一助になれば、こんな嬉しいことはありません。

人間は、時が経るとともに、多くのことを忘れることができます。悲しい思い出、悔しい思い、惨めな気持ち…。忘れることで乗り越えることもできますし、忘れないことで力強く生きていくこともできます。

ひとそれぞれ、自分のスタイルでこの危機を乗り越え、早く以前の幸せな生活に戻れることを願って、明日の一歩を踏み出しましょう。

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