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震災とオリンピック

昨日、4月6日は、第1回の近代オリンピック(アテネオリンピック)が開催(1896年)した日です。クーベルタン男爵によって古代ギリシャのオリンピアの祭典が、スポーツ大会として復活したんですね。来年2012年には英国ロンドンで第30回の夏季オリンピックが開催されます。

オーストラリアにとっては、1956年の南半球で初めてのオリンピック、メルボルン大会があります。そして2000年のシドニーオリンピックと、2回開催しています。日本にとってはなんといっても1964年の東京オリンピックですね。もちろん札幌と長野の冬季オリンピックもありますが、東京オリンピックの開催は非常に大きなものでした。

東京オリンピックはアジアで初めてのオリンピックでしたし、とにかく第二次世界大戦で廃墟と化した日本が、再び国際社会に復帰するシンボルとして、一大国家プロジェクトとして開催されました。

敗戦から20年という時期に、国際社会の舞台に一躍躍り出たということです。いま、日本では東日本大震災で被災地の東北地域のがれきの山となった町がテレビに映し出されていますが、1945年の日本は、ほとんどがあのような廃墟の町並みとなっていたわけです。

そこから始まった復興の道は、20年後に東京オリンピックとして見事な姿を世界に示しました。そこには国民一丸となっての復興への力強い働きがありました。

今回の東日本大震災の復興も、敗戦から見事にオリンピックを開催したように、数年後、世界から称賛を浴びるような復興を遂げたいものです。そして、それが可能だと思います。

東京オリンピックは、数多くのインフラを整備しました。新幹線や東京モノレール、首都高速道路や名神高速道路など。そしてオリンピックをカラーで見るためにカラーテレビが売れて、まさに「オリンピック景気」といわれる好景気をもたらしました。

これから始まる復興事業も、景気を良くしてくれればよいのですが、高度成長の時期と重なった東京オリンピックとは異なり、低成長期、それも莫大な借金を抱える今の日本経済とは単純に比較はできません。それでも着実に復旧の道を歩まなければなりませんし、復旧にとどまらず、さらに復興とすすんで、そして振興するようになれば自ずと新しい景気が生まれてきます。

例えば東京オリンピックは、さまざまな「システム化」が実現したことでも知られています。初めてコンピュータによる記録管理が行なわれました。これはその後、リアルタイムシステムの普及につながっていきます。また、選手村での膨大な食事の提供は、キッチンシステムを生み出し、今日のファミリーレストランやファストフードチェーンでの調理システムにつながっていきます。

時を経て、数多くの合理的なシステムや商品開発、インフラ整備がなされて、もう進化の余地がないようにも見えますが、その社会システムが一瞬にして崩壊してしまった現実は、いよいよこれからの社会を想像するよい機会ともなったわけです。

持続可能な社会」ということが言われています。その具体的な中身を考える時期なのでしょう。震災を景気に、オリンピックへの動きと重ねあわせ、新しい社会システムの構築を、ちょっと考えてみませんか?

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