”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
5/9(月)日銀議事要旨、9-10日米中戦略・経済対話
10(火)豪州連邦予算案、豪3月貿易収支、米3月卸売在庫、中国3月貿易収支、スイス4月消費者物価指数
11(水)中国4月主要指標(消費者物価指数、生産者物価指数、小売売上高、鉱工業生産)、米3月貿易収支、英国中銀インフレレポート、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
12(木)日本3月国際収支、豪4月雇用統計、英3月鉱工業生産、米4月生産者物価指数、米3月企業在庫、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
13(金)仏第1四半期GDP(改定値)、独第1四半期GDP(改定値)、ユーロ圏第1四半期GDP(改定値)、米4月消費者物価指数、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数、EU半期経済見通し、トリシェECB総裁講演
マーケットの焦点
キーワード― ドル安(再介入あるか?)、欧州ソブリンリスク(ギリシャ債務再編問題)、 米中戦略・経済対話、報復テロ
先週も激しい相場展開でした。前週のドル安地合を継いで週初はドル安が進行。ドルスイスは0.85台の史上安値、豪ドルは1.10と変動相場制移行後の高値、ドルカナダは0.94台と3年ぶりの安値、ユーロも一時1.49台と、いわばドル全面安地合でスタートしました。また月曜日に世界を駆け巡ったビン・ラディン殺害の報も直後は”テロリスク軽減”と受け取られリスク選好の動きに拍車を掛けました。
しかし発表された欧米諸国の経済指標が軟調であったことや、ビン・ラディン殺害から報復テロ懸念が高まったこと、更には欧州ソブリンリスクの再燃から徐々にリスク回避の動きが強まり、株式市場や商品相場の調整色が強まりました。
このリスク回避の動きは木曜日のECB理事会後のトリシェ会見で、従来ほどのインフレ懸念が強調されなかったことからECBによる6月利上げ観測が後退しユーロが大幅下落につながり、更に豪ドルや商品相場などリスクアセット全体の調整色を強める結果となりました。
金曜日に発表された米国の4月非農業部門就業者数は予想を大幅に上回る増加を示しましたがリスク選好にはつながらず、むしろその後に「ギリシャの債務再編(借り換え)問題の解決が不調に終わるとギリシャがユーロを離脱する可能性が高い」と独誌が伝えたことから(EU当局は否定)、リスク回避の動きが更に強まって1週間を終わっています。
さて、今週も忙しい週となりそうです。
イベント的には9-10日に開催される米中戦略・経済対話では、米国が中国に対して”更なる人民元の大幅上昇”を要求し、中国は5/16に米連邦債務上限に到達見込みの米国財政赤字の削減の注文をつけるものと思われます。
また豪州国内でも10日(火)の連邦予算案発表、12(木)の4月雇用統計が注目されます。
ドル円は先週一時、3/18の協調介入以降の安値79円台半ばまで下落していますが、同レベルは協調介入が実施されたレベルです。
再度このレベルに反落した場合には果たして協調介入が出るのか?日銀単独介入か?あるいはまだ市場がパニック状態ではないとして介入は出ないのか?
また欧州ソブリンリスク問題では、ギリシャのユーロ離脱問題は少し性急過ぎる気がしますが、引き続きギリシャの債務再編問題、ポルトガル・スペインの国債償還、借り換えに対する懸念など目が離せません。
4月以来株式市場、商品相場ともに続伸して来ましたが、先週は商品相場中心にまとまった調整が入りました。(金 史上高値の1577.50ドル→1488ドル、原油113ドル→94ドル)。
調整一巡で再度上昇か?あるいはリスク回避の動きに引っ張られて更に続落か? じっくりと見ていく必要があります。
地政学的懸念(中東、北アフリカ)に加えてビン・ラディン殺害後の報復テロ声明も出ており、こちらもリスク要因として認識する必要があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0537-1.1010 AUDYEN 84.35-89.32
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0450-1.0850 AUDYEN 84.00-88.00
今週の豪ドルは”上値での戻り売りと下値での押し目買い”の揉み合い
先週の豪ドルは”史上高値から大幅調整反落後、小戻し”でした。
上述のように週初は米ドル全面安地合で豪ドルは変動相場制移行後の高値1.10台まで続伸し、豪ドル円もドル円の下落を豪ドル米ドルの上昇が補う形で88~89円台で堅調推移しました。
火曜日のRBA理事会は予想通りに金利据え置きでしたが、声明文で早期利上げを示唆する文言が見られなかったことから金利先高感が後退し、加 えて木曜日に発表された3月小売売上高が+0.5%予想に対して-0.5%と下振れたことが豪ドル調整売りを誘いました。
この動きは木曜日のECB理事会後のユーロの急落(1.49→1.45)に増幅され、商品相場の調整反落に歩調を合わせて豪ドルは木曜日には1.05台前半、84円台前半まで大幅に値を崩しました。
その後金曜日に発表されたRBAの四半期金融政策報告書でインフレ見通しが上方修正(2011年Q4、2012年Q1のインフレ見通しを2.75%から3.00%に引き上げ)したことから、再び金利先高感が強まり一時1.08近辺、87円近辺に戻すなど相変わらずボラタイルな相場展開です。
今週は豪州国内イベントでは10日(火)の連邦予算案発表、3月貿易収支、12日(木)の4月雇用統計が焦点。
特に予算案では緊縮財政が明らかになると思われますが、そうなればRBAの利上げのタイミングを遅らせる可能性もあります。
先週は1.10から1.05台、89円台から84円台まで、久しぶりに大幅に調整した豪ドルで、上記のようにリスク許容度が再び減少しており、足元積極的な上攻めには慎重になるものと思われます。
一方、4月以降の豪ドル大幅上昇は一般投資家のみならず、外貨準備の通貨分散を積極的に図るアジア各国中銀の豪ドル買い需用があったとの指摘があります。
このような豪ドルに対する通貨選好の押し目買いが下値では積極化するでしょう。
それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
http://fxshonan1.cocolog-nifty.com/kawasedangi/files/13may_2011.pdf
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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